さわって差異うむ、トイの記載展。Exhibition of Notes about Sophisticated Toys That Generate a Difference by Touching Them
・ 10:00〜17:00
テレコムセンタービル 4階
出展者名
明星大学情報学研究科 学習科学共創拠点 ミライテラス
"mir.ai terrace" : Innovation Commons of Learning Science, Graduate School of Information Science, Meisei University
プログラム概要
世界中から集めた数理・物理的な問いを生む「理数トイ」にふれてみよう.ここにある理数トイは、そのトイの背景にある理論や現象への入口です.理数トイにさわって、よく見て、試してみて、あなたの中に生じる「問い」(リサーチクエッション)への気づき(解決の記載)を書き出そう。そして,同じ「理数トイ」にふれた他の人の気づきを見て、他の人の気づきにあなたの気づきを混ぜて、あなたが面白いと思う組み合わせ(アイディアの記載)をつくってみよう。あなたの中に「知的な驚き」と「素敵な気づき」がつくられる場を体験しにやってきてください。
Let's explore “Science Toys” that inspire mathematical and physical questions from around the world. The Science Toys here serve as an introduction to the theories and phenomena behind them. Touch the Science Toys, observe them closely, try them out, and write down any questions (research questions) that arise within you, along with your thoughts on how to solve them.Then, look at the insights of others who have interacted with the same Math and Science Toys, mix your insights with theirs, and create combinations (idea notes) that you find interesting. Come experience a place where “intellectual surprises” and “beautiful insights” are born within you.
出展者プロフィール
山中脩也
精度保証付き数値計算法の研究を専門分野としつつ、論理学に基づく科学的探究プロセスを学習環境に取り入れ、コンピュータを用いた探究に関する理論的検討にも従事している。特に、コンピュータ上の探究活動としての試行錯誤に注目し、論理的推論を用いたその構造の解明と、自由エネルギー原理に従うプログラミング学習環境の構築を行ってきた。世界中から数理・物理的な背景を持つ玩具を収集し、多様な場所でその展示をしている。
✏️出展レポート
話し合った未来像
明星大学の展示「さわって差異生む,トイの記載展」が、サイエンスアゴラ2025における他の多くの展示と明確に異なる点は、科学を「伝える/教える」ことではなく、来場者の手によって科学的記述(ドキュメンテーション)が「生成される」プロセスそのものを展示とした点にあります。このような視点も議論に加えられるような未来は素敵だなという話が出ました。
意見・論点
体験型展示(ハンズオン)は他にも多く存在しますが、多くは「触って楽しむ」「動かして結果を見る」ところで完結します。
本展示は、触った後の「記載(記述)」という認知プロセスまでをセットにしている点で,参加者は単なる観察者ではなく、スケッチや言葉を通じて現象を再構築する「(小さな)研究者」としての振る舞いを求められます。この「アウトプット(記述)を必須とするデザイン」は、他のブースには見られない深い関与を促す仕掛けになっているという意見がありました.
来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること
他の展示のいくつかが「Science for Society(社会のための科学)」として技術や知識を提供するものに対し、ここでの展示は「Science with Society(社会とともにある科学)」を実践し、市民が科学的営み(観察・記述・対話)そのものに参加する「メタ科学的な体験」を提供しているというコメントに対し、さらにその内容を深めていきたいと思いました。