出展者名

日本サイエンスサービス

Nippon Science Service

プログラム概要

自由研究をやったことはありますか?私たちのブースでは、オリジナルカードゲームと研究の先輩による研究発表を通して、学校ではあまり触れない「研究」を楽しく学べる機会を提供します!カードゲームでは、研究のきっかけから考察・結論へとつなぐカードを使い、自身の疑問を研究へ発展させる流れを体験できます。さらに皆さんの関心があるトピックについて議論できる機会も提供します。カードは年齢に応じた難易度や色や模様で区別できる工夫により、小学生から大人まで楽しめます。研究発表では、アメリカで開催される高校生研究の世界最高峰の大会:ISEFに出場した日本代表の先輩達と、出場時の研究や体験談について対話できます。

Have you ever done a research by yourself? In our booth, we will provide an exciting opportunity to learn about “research” which is not taught so much in school through an original cardgame and presentations by senior researchers! By playing our original cardgame, you can experience the flow of developing your own questions into research by using cards that connect the initial research idea to analysis and conclusins. We will also provide an opportunity to discuss topics that interests you the most. Cards are designed to be enjoyable for everyone from elementary school students to adults by having variety of difficulty, colors, and patterns to cater to different ages. By listening to presentations by senior researchers, you can engage with fellow researchers who participated in ISEF, the world's largest pre-college scientific research event held in the United States, and hear their research and experiences from the event.

✏️出展レポート

話し合った未来像

私たちが話し合って描いた未来は、自由研究が特別な行為ではなく、日常の一部として自然に行われる社会です。子どもたちが「理科って楽しい」「考えるって楽しい」「お兄さんお姉さんと話すのって楽しい」と感じる体験をきっかけに、身の回りの何気ない事実に独自の着眼点で疑問を見つけ、それを自ら検証して研究へと発展させられるようになってほしいと考えます。この未来では、日常でふと浮かんだ疑問を逃さずに考え、仮説を立て、実験や観察で答えを探す習慣が自然に育ちます。自由研究のハードルが下がることで、小中高生が「研究に取り組むことは自分にもできる」と感じ、ISEFのような国際大会を具体的な目標に据える子が出てくることも期待します。高校生以上や大学と連携して、、若い研究者の活動を地域や教育機関全体で盛り上げる流れも生まれます。私たちが目指すのは次のような変化です:自由研究が「特別ではなく日常の一部になる・子どもたちが身近な疑問から自分で検証アイデアを生み出せるようになる・小さな「気になる」を家に持ち帰って自分で試す文化が広がる・ISEFなどの国際大会を目指す道筋を認識し、具体的な目標設定ができるようになる・ノーベル賞級の研究に触れることで、トップレベルの研究から発想のヒントを得る機会が増える・大学や社会人も関わり続け、研究への興味を生涯にわたって保つ人が増える。ゲームやワークショップで得られた効果、即ち日常の現象に疑問を持ち、解決方法を考えるという一連の思考を体験することを基盤に、この未来像を実現したい。そのための第一歩として、サイエンスアゴラの参加者が自らの発想に自信を持ち、発表や対話を通じて「自分も研究をやってみたい」と思える流れを作ることに貢献したと考えている。

意見・論点

ブースで体験と論点をまとめると、まずポスター発表が予想以上に人気を集め、来訪者が重複する場面が頻発したため、スタッフ全員がどのポスターの概要でも簡潔に説明できる体制が急務であるという点が挙がった。特定のポスターに説明者が偏在しているため、担当者不在時に来訪者を十分に案内できない事例があり、各発表の内容を事前に共有する時間や要点サマリーの配布が必要だった。来訪者の年齢層に応じた対応も課題で、未就学児〜低学年向けの話し方やゲーム進行はスタッフの能力差が結果に直結したため、年齢別の台本や簡易マニュアル、研修などで標準化したい。カードゲームについては小さな子どもが興味を示す一方で、待ち時間に離脱するケースが多く、回転率向上と参加人数設計の見直しが求められた。具体的には、所要時間を短縮した体験版ルールの導入や1~3人程度の少人数制を基本に同時進行で複数組回せる席配置、待ち列表示や番号札といった順番管理の導入を検討したい。さらにカードゲーム席に座ると視界が狭まり、待機状況や来訪者数が把握しづらいという指摘もあり、待機担当の配置やレイアウト変更で視認性を改善する必要性がある。運営面ではスタッフの能力依存を解消するために役割分担の明確化とシフト運用、展示の誘客力強化が重要となる。フライヤー配布や目立つ表示で世界大会出場実績を前面に出すことは集客に有効であり、通行者が「ただの研究発表」と見過ごしてしまう状況を防げる。実際カードゲームが入り口となってポスター閲覧へ誘導できた場面も多かったものの、ポスター横が混雑し説明者不足で来訪者が十分に理解できないまま帰る事例も見られた。これを防ぐにはポスターごとの基礎知識を共有し、どのシフトにも他人の発表を説明できる補助者を配置することが必要だ。即時実施すべき改善案としては以下の事項が挙げられる:主要ポスターの要点サマリを全スタッフへ配布、共有・年齢別簡易マニュアルと研修実施・カードゲームの短縮版導入と同時進行席の増設および待ち管理の導入・ポスター説明のローテーション配置・展示訴求(世界大会出場バッジや大きなキャプション)と案内サインの改善。

キーワード

来訪者
楽しい、「〜してみようかな?」、「高校生がやった研究?」、英語で発表するのは大変そう、世界大会すごい、テーマを聞いたことあるけどよくわからない
カードゲーム関係
「カードゲームが面白い」、「ねぇねぇ、こんなんもどう?」
親御さん・教育関係
ISEF出場者のその後の進路・研究の応用可能性
その他
NSSにどうやって入る?(入会・関与方法への関心)

来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること

まず来場者相互との反応が明確だった:中高生は授業で探究に触れたことをきっかけに来場する例が多く、研究テーマ選びに不安を抱える傾向があり、テーマ発想支援が有効・小学生は自由研究の経験者が多く「自由研究やったことある?」といった問いかけが対話のいい導入になるため、体験型の入り口を用意するといい反応が得られる。幅広い来場層(小学生〜大学助教・研究職)が訪れ、来場者によって求める説明の深さが異なるため、子ども向けの簡易説明から学術向けの詳細資料まで複数の補助資料を用意する必要がある。来場者はISEFに強く惹かれたおり、出場実績や出場までの道筋を目立たせることが集客や動機づけに有効だ。また、専門家や教育関係者からは進路や応用可能性に関する質問が多く、詳細な参考資料を用意して深堀に対応できる対応が望まれる。実物展示があるとポスター理解のハードルが下がるという指摘も多く、可能な範囲で実物を展示することが有効だ。コミュニケーション面では、年齢や立場によって「まちがえたくない」「恥ずかしい」という思いから発言を控える傾向が見られたため、圧をかけない言葉がけや難易度調整された説明・ゲーム設定が必要となる。小さな子どもとは目線を合わせることで安心感を引き出せる有効性も確認された。運営面の課題としては、ポスター説明者の偏在とスタッフ能力依存が目立ち、スタッフ全員が主要ポスターを簡潔に説明できる体制が不足していた。これを解消するために、各ポスターのサマリとFAQを作成して全スタッフで共有すること、年齢別の説明台本や研修を行うこと、担当ローテーションを組んで説明者偏在を防ぐことを優先する必要がある。カードゲームは小児の離脱を防ぐために回転率を上げるルールと同時進行席の増設、待ち管理を導入する。