AI人生相談所『あの文豪が君に答える』Ask the Dead: AI Life Advice from Japan’s Great Writers
・ 10:00〜17:00
テレコムセンタービル 4階
出展者名
理系の森ラジオ制作チーム
Science Forest Radio Production Team
プログラム概要
あなたが悩みを入力すると、太宰治や三島由紀夫のような文豪が、あなたの悩みに答えてくれる。AIが蘇らせる“言葉の力”を、リアルで体験してみませんか?また平行して、死者をAIで再現する事への倫理的是非、死者の思想をAIに学ばせる事の禁断的魅力、現代を死者がどう斬るか等のミニ公演も、識者を招いて行う。
When you input your worries, literary giants like Osamu Dazai or Yukio Mishima will respond to you. Would you like to experience the "power of words" revived by AI in real life? Alongside this, we will also hold mini-talks with invited experts discussing topics such as the ethical implications of recreating the deceased with AI, the forbidden allure of teaching AI the thoughts of the dead, and how the deceased might critique modern society.
出展者プロフィール
鎌倉FMで毎週放送中のサイエンス系ラジオ番組『理系の森』の制作チーム。
科学と社会をつなぐ創造的な体験を企画し、サイエンスアゴラには2020年から出展。
タイムテーブル
📅 10月25日(土)14:00〜15:00
登壇者:早稲田大学先端社会科学研究所 助手 高江 可奈子 氏
テーマ:「AIで死者を蘇らせることの是非」
📅 10月26日(日)14:00〜15:00
登壇者:慶應義塾大学文学部 教授(倫理学) 荒谷 大輔 氏
テーマ:「思想をAIに学ばさせることについての倫理」
🔁 終日 📌 AI人生相談体験ブース(音声入力 → AIから返答 → 印刷 or モニター掲示)
🔁 終日 📺 文体モデル解説・倫理パネル展示(解説パネル+短編映像の繰り返し再生)
✏️出展レポート
話し合った未来像
死者AIや自分のクローンの倫理を問う為、来場者に、下記三つの質問を行った。
Q.自分とクローンの差は何ですか?
A.だじゃれを考える早さが違う。
経験値で変わって来る。
クローンは間違えない、自分は間違える。
Q.データ化された自分は自分ですか?違うなら何が違いますか?
A.肉体をともなわない
意識の連続性がない
りんごを選んだとして、データの自分はリンゴと言うメモリしかのこらないが、生身の自分は、バナナも良かったかもと考えてる
Q.あなたはあなたのデータを肉体的な死後 残して置きたいですか?
A.いいえ。死後にパソコンのデータ消して欲しいのと一緒です
残したい。永遠に生きられることになる。
はい。自分の葬式の時に披露したいです。
意見・論点
登壇者:早稲田大学先端社会科学研究所 助手 高江 可奈子 氏
テーマ:「AIで死者を蘇らせることの是非」
死者AIで人が死ななくなる時代、自分と死者AIの個と個の閉じた関係でなく、自分と死者AI「たち」、つまり「話す先祖たち」や、「近所の亡くなった人たち」と共生していく、新しい人間関係が生まれる可能性を考えた。
登壇者:慶應義塾大学文学部 教授(倫理学) 荒谷 大輔 氏
テーマ:「思想をAIに学ばさせることについての倫理」
デジタルクローンはただのデータなのか?思想を学ばせたAIは削除していいのか?介護用AI等、相手をデータで無く、人間と錯覚することは絶対に間違いなのか?
人間でなく、データである、というリテラシー教育は必要だが、ただのデータでなく、動物を家畜とペットで分けるような、削除可能データと、「コンパニオン」という、ある意味、友人と位置づけるようなデータで分ける考えを提案した。
キーワード
AIと死、クローン倫理、意識の連続性、データ人格、思想の模倣、哲学的AI、死後データ保存、自己同一性、AIと記憶、科学と文学の融合
来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること
1.の質問をし、対話する事で、デジタルクローンを巡り、そもそも初めて考えたという方が大半で、良い問題提起だったように思う。質問について対話していく中で、目から鱗が落ちるような回答をされる方もいた。同時に、倫理として、デジタルクローンの考え方を一方向に纏めるのは、非常に困難であると感じた。その中で、高江、荒谷、両先生方のデジタルクローンの倫理的捉え方についての提案、方向付けは流石なものであった。
トークセッションの動画はYoutube、ポッドキャストに掲載予定。出来れば、将来的に本に纏めたいと考えている。