出展者名

福島イノベ機構 & F-REI

Fukushima Innovation Coast Promotion Organization & F-REI

プログラム概要

2011年3月に起きた東日本大震災・原子力災害により、福島県の一部地域に避難指示が出され、多くの住民が長い間、避難生活を余儀なくされました。その後、人々の懸命な努力により避難指示エリアは縮小し、徐々に人々が戻り、さらに国としても地域の復興と産業再生を力強く進めるプロジェクトとして「福島イノベーション・コースト構想」がスタートしました。また、2023年には、福島イノベ構想を更に発展させ、既存の研究施設等の取組の司令塔を担う中核拠点として、「福島国際研究教育機構(F-REI)」も設立されました。福島イノベ構想やF-REIの取組から、福島や日本の未来について共に考えてみましょう。

In March 2011, the Great East Japan Earthquake triggered a nuclear disaster that led to evacuation orders in parts of Fukushima Prefecture. As a result, many residents were forced to live away from their homes for extended periods.
Thanks to the dedicated efforts of many people, the evacuation zones have been gradually lifted, and communities have slowly begun to rebuild. In parallel, the Japanese government launched the Fukushima Innovation Coast Framework — a national project aimed at revitalizing the region and restoring its industries. Today, various initiatives are underway under this framework.
In 2023, the Fukushima Institute for Research, Education and Innovation (F-REI) was also established as a core hub to further advance the goals of the Innovation Framework and coordinate efforts across existing research institutions.
Through this event, we hope to introduce visitors to the ongoing efforts of the Fukushima Innovation Coast Framework and F-REI, and inspire everyone to reflect on the future of Fukushima and Japan as a whole.

✏️出展レポート

話し合った未来像

2011年の東日本大震災と原子力災害により、かつて営まれていた生業や日常の暮らしはいったん途絶え、多くの地域が困難に直面した。
しかし、すべてがゼロになった土地だからこそ、新たな挑戦ができるフィールドとしての可能性があり、今、復興の枠を越えて、未来を切り拓く実証の場へと姿を変えつつある。その根底にあるのが国家プロジェクトである福島イノベーション・コースト構想であり、構想推進の中核を担う福島イノベ機構と、構想に関連する多様な企業による医療、ロボット、エネルギー、農林水産業など、さまざまな分野での研究や技術開発が相乗的に効果を発揮し、成果が徐々に社会の中で「形」となって現れ始めている。
新たな製品やサービスが地域社会や地場産業で活用されるなど、社会実装の動きも加速し、さらには、国際的な研究拠点である「福島国際研究教育機構(通称:F-REI)」の整備も進行中で、国内外の研究者や技術者が集う新しい交流エリアとして期待されている。
こうした動きが地域の雇用や人々の交流を生み、活気あふれるまちづくりにつながろうとしており、被災の地・福島は今、痛みを乗り越え、「挑戦の地」「未来を創る地」として、確かな歩みを続けている。

意見・論点

ブースでは、子ども向け教育用プログラミングロボット「あるくメカトロウィーゴ」を用い、小学生を主な対象としてロボット相撲対戦を実施した。来場者への積極的な呼びかけを行わなくても、ロボットに興味を持った子どもたちが自発的に参加し、楽しむ様子が見られた。また、ロボットの動作制御が「スクラッチ」であることを理解している子どもが多く、基本操作の説明を必要としないケースが前年より増加していた。このことから、小学生のプログラミングに対する認知度および理解度の向上がうかがえた。さらに、ロボット操作を通じて、福島県浜通り地域や福島イノベーション・コースト構想、F-REIに関するクイズを実施したが、学年によって興味・関心に差が見られた。内容の関連付けや出題方法に工夫が必要であるとの意見も寄せられた。
福島県や震災・原子力災害にゆかりのある方々は、ロボット実演を通じなくとも高い関心を示す傾向が見られた。一方で、それ以外の、特に都内在住の来場者にとっては、ロボット実演が当機構の事業やイノベーション・コースト構想とどのように結びついているのかが、直感的に理解しづらい印象であった。ロボット・ドローン領域のみであれば、1事業者による実演である程度の訴求が可能だが、他領域を含めた構想全体の意義をわかりやすく伝える方法が課題である。
また、クイズを通じて子どもには理解を促せたものの、同伴する保護者への訴求力は十分でなかった。ブースではパネル展示により概要を示していたが、説明スタッフが子どもの実演中に個別に保護者へ説明する形にとどまった。今後は、子どもの教育的効果を重視する保護者層に対して、どのように情報を届けるかを検討する必要がある。

キーワード

「(モノづくりに強いとは)知らなかった・意外だった」「震災の記憶を次世代に伝えてほしい」
「なんにでもチャレンジできるという事、大変な思いを活力に!という視点がすばらしいと思い、わくわくしました」
「震災から10年以上経ち、国からの支援も当時に比べて減っている頃かと思いますが、このような構想を知り元気づけられました。応援しています!」「未来に向かう若者たちが希望に溢れる日本になるようにイノベ構想が牽引してほしい。」など

来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること

ブースの訪問者の中には、これまで当機構が行ってきた人材育成を目的とした「大学等との連携による『復興知』の発掘・発信事業(通称:「復興知」事業)」に参加していたOBもおり、「構想についてさらに知ることができた」と回答があった。
一方で、福島県出身の大学生などからは「高校生のときにイノベ構想という名前は聞いたことがあったが、具体的な取組内容までは知らなかった(取組も聞いた気がするが覚えていない)」という声もあり、「福島イノベーション・コースト構想」の県内認知度が約30%と低い現状を改めて痛感した。
福島県は、米や桃などの農業だけでなく、航空宇宙や医療関連といった先端モノづくりにも強みを持つ地域である。その特色を生かし、県内ではイノベ構想をはじめとする主要プロジェクトが推進されている。これらの取組をクイズ形式で紹介したところ、「福島にそんな産業があるとは意外だった」と驚く声が多く寄せられた。
また、イノベ構想の重点地域の一つである南相馬市では、宇宙関連のベンチャー企業の工場建設が進むなど、新しい産業の芽が育ちつつある。こうした話題に興味を示す学生も多く、特に福島県出身で東北大学学友会準加盟団体「FROM THE EARTH」に所属する学生からは、「将来は宇宙産業に携わりたい」という夢を聞くことができた。「サイエンスアゴラ」のイベント(及びブース)参加者層は、福島の未来を担う人材像として非常にマッチする部分があるため、引き続き「イノベ地域はあらゆるチャレンジのフィールド」であるとともに「具体的にどのような企業が集まってきているのか」「企業の独自のテクノロジーが私たちの生活にどのように作用するのか」についても関心を持ってもらえるような展示内容を追加し、イノベ地域の未来を担う幅広い世代に興味・関心を引き出せるよう、周知していきたい。