見えない世界を体験しよう! ミクロが語る生命と暮らしExperience the Invisible: How the Microscopic World Tells the Story of Life and Living
・ 10:00〜17:00
テレコムセンタービル 3階
出展者名
カワノラボ
KawanoLab
プログラム概要
今回の出展では、ミクロな世界を感じて頂くために、これまで培った技術を紹介したいと思います。ひとつは磁場の面白さ、そして顕微鏡の世界を共感して頂き、最後に画像解析AIについて紹介します。具体的には、①磁場でモノが動く様子について磁石でプラスチックや金属を動かします ②小型顕微鏡を持ち込んで酵母細胞の活動の様子など見て頂きます ③画像解析AIを顕微鏡の画像だけでなく顔の表情解析にも応用して、その汎用性の高さを見て頂く ことを計画しています。特に、画像解析技術は粒子、細胞、泡などの特徴量評価が顔認識にも応用でき、この点を東北大学で認知科学がご専門の竹本先生にご指導のもと、展示でご説明致します。
At this exhibition, we would like to introduce the technologies we have cultivated to give visitors a sense of the microscopic world. First, we will introduce the fascinating world of magnetic fields and the world of microscopes, and finally, we will introduce image analysis AI. Specifically, we plan to (1) use magnets to move plastic and metal objects in a magnetic field, (2) bring in a small microscope to show visitors how yeast cells are active, and (3) apply image analysis AI not only to microscope images but also to facial expression analysis, demonstrating its high versatility.
✏️出展レポート
話し合った未来像
細胞の活動をいかに観察するかについて話し合いました。直接目では見えないミクロな世界が私たちの生活を支えているという点、私たち自身も細胞の塊であって、細胞やちいさな粒子は私たちの生命の根源的な意味を持っているということを考えました。細胞だけでなく、例えば塩も結晶としてミクロな粒子であり、タンパク質やDNAも大きな分子として存在して”目には見えないが重要なもの”として私たちの生活に欠かせないものです。こうした世界を顕微鏡を使って垣間見ることで、普段気に留めることはないが目に見えない世界でダイナミックな活動が行われていることを実感できたと思います。この展示を通じて、さらに細かいものをどう見ていくのか、細胞たちが発酵のような活動を通じて共生している環境をどう維持、発展させることで人間も持続可能な成長ができるかを考えるきっかけになったと思います。
意見・論点
- 細胞の動きや結晶を見せることができ、来場者からは驚きと学びの感想を得た。特に小学生からは、もっと見たい!という意見が多かった。
- 磁場で樹脂やアルミ板を分けるデモンストレーションは、見えない力を感じることができる展示で、これも大人から子供まで幅広い関心を得た。磁場ってどうやって生まれるの?といった素朴な疑問も、物理的にはとても説明が難しいので、かみ砕いてなんとか理解を得たと考えている。永久磁石は一度作ってしまえば永久に磁力を発生するため、クリーンなエネルギー源として有望なものであり、その価値を感じてもらえたと考えている。
- カメラで撮影した表情から感情を解析するアルゴリズムで、来訪者の動画から感情をモニタリングした。これはとても好評で、”うれしい”の感情を満点にするにはどんな表情が良いか!?という逆の発想で楽しんでもらえたのは、こちらも大変大きな気付きであった。つまり、自分の表情は鏡や写真などでないと普段見ることができないので、他者から見て”どういう表情か”は分かりにくい。そのため、より正確に自分が嬉しいという思いを相手に伝えるには、もっと口角を上げた方が良いなどが分かると、お互いのコミュニケーションを円滑にできる可能性もあるということを出展者側も学ぶことができ、収穫が多かった。
キーワード
【顕微鏡の展示】
- 展示のスマホを使ったロール式顕微鏡、とても使いやすいので学校の実験で使いたい(中学理科の先生)
- スマホでもっと細かいものが見えるようなレンズが欲しい!(小学生など)
- 肌がきれいになる発酵食品ってなに!?(ご家族で特に女性の方)
【磁気泳動の展示】
- 永久磁石でポリプロピレン、PET、アルミなどが動かせるのはなぜ!?(多くの参加者)
- 磁石はなぜもっと使われないの?(小学生くらい)
- 磁石でリサイクルの分別、とても興味がある(企業の方)
【表情解析】
- たくさんのデータはどうやって集めたの?(多くの参加者)
- こんな風に数値化できたら、自分の表情をもっと豊かにできるかも!(特に女性の方)
- 強面と言われているが、やっぱり嬉しいのスコアが低く、表情づくりを頑張りたい(特に中高年の男性)
来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること
- 顕微鏡での観察は、やはり大人から子供までニーズはある。学びの手段として、スマホでよりキレイに撮影できるレンズがあると微生物への関心、食中毒の低下などはあるかもしれないと思った。
- 顕微鏡は、特に小中学校での学びに重要だと思った。教科書のイラストではなく、自分で使ってみる操作して詳細に見るということで理解が進む。壊れにくい、壊しても直しやすいシンプルな構成の顕微鏡は大事だと思った。
- 磁場による分離について、多くの方が磁場に対する情報が少ないと感じた。エネルギー源としての永久磁石は利用価値があるので、より理解が広がるように、我々も取り組みたい。
- 表情解析は、相手の感情を評価する、または自分のストレス具合を評価するために使うことを考えていたが、今回の展示で”自分の表情をもっと豊かにするために、トレーニングとして使いたい”という想定外の用途に触れることができ、大きな学びとなった。