映像空間の中で生まれる新たな共同体験「みなっぱ」Minappa: creating new collaborative experiences in visual spaces
・ 10:00〜17:00
テレコムセンタービル 1階
出展者名
みなっぱプロジェクト
Minappa project
プログラム概要
「みなっぱ」を使って、さまざまな映像の中を探索しながら、未来の社会について考えてみませんか?「みなっぱ」は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した、XR体験共有プラットフォームです。まるで写真やテレビの中に入ったかのように、みんなで映像の世界を同時に体験・共有することができます。現地視察や工場見学など、普段なかなか行けない・入れない場所でも、手軽に疑似体験することができ、施設内や屋外の紹介にとどまらず、STEAM教育の教材などとしても活用が期待されています。小学3年生以上の方なら、どなたでも体験していただけます。
Why not use "Minappa" to explore a variety of images and videos and consider the future of society? Developed by the National Institute of Information and Communications Technology (NICT), Minappa is a virtual experience sharing platform. Users can experience and share virtual worlds as if they were inside photos or TV screens. Places that are difficult to visit in person, such as sites undergoing construction or factories, can easily be experienced virtually. As well as being used to introduce indoor and outdoor facilities, Minappa is also expected to be utilised as educational material for STEAM education. Anyone aged 9 or over can take part.
登壇者プロフィール
みなっぱプロジェクト
情報通信研究機構(NICT)が開発したオンラインの共同体験プラットフォーム「みなっぱ」に関心がある人の、ゆるやかな集まりです。「みなっぱ」の利用者や開発者、研究者、サポート企業などからなり、「みなっぱ」を使いながら、より便利で面白いものにし、多くの方々に利用してもらえるように活動しています。
写真は中央から時計回りに、今井、佐伯、島田
今井 弘二(いまい こうじ)
「みなっぱ」プロジェクトの代表。
本業は情報通信研究機構 副イニシアティブ長。近年はAIやXRの技術を教育や観光などの幅広い分野へ応用するための研究開発や社会実装を精力的に進めている。
佐伯恵太(さいき けいた)
「みなっぱ」の使い手兼エバンジェリスト。
本業はフリーランスの俳優・サイエンスコミュニケーター。理系大学院から俳優に転身し、現在は、科学とエンターテイメントの架け橋として、時代劇からサイエンスショーまで多方面で活動している。
島田卓也(しまだ たくや)
「みなっぱ」の開発者。
本業は科学系展示やコンテンツのプランニング・ディレクター。20年にわたる科学技術系ミュージアムでの展示開発の経験から「共同体験」の重要性に気づき、ICTを使ったコミュニケーションでもそれを起こせないか、「みなっぱ」の開発を通して模索を続けている。
■「みなっぱ」体験イベント:
太陽風の影響を予測して知らせる「宇宙天気予報」をご存知ですか?
NICTには、宇宙天気の予報を検討する特別な部屋があります。
「みなっぱ」を使って、みんなでアバターとなってその部屋に入り、宇宙天気予報のクイズにチャレンジしましょう。
体験イベントは、11時〜16時の計6回(毎正時開始)を予定しています。
各回8人程度、所要時間は15分ほどです。
タブレット端末の操作ができればどなたでもご参加できます。
※ イベント以外の時間でも、自由に「みなっぱ」を体験できますので、ぜひお越しください!
■参考
- NICTchannel 簡単で色々使えるメタバース「みなっぱ」
https://www.youtube.com/watch?v=FeXVJdZz0rw&pp=ygUM44G_44Gq44Gj44Gx - 技術に関する参考資料
「ニューノーマル社会における共同体験プラットフォーム技術」
https://shingi.jst.go.jp/pdf/2021/2021_nict_004.pdf
✏️出展レポート
話し合った未来像
本ブースでは、実際の映像をもとにしたバーチャル空間をみんなで同時に疑似体験できる技術「みなっぱ」を活用して、来場者にバーチャル空間と現実世界を組み合わせた「ハイブリッド謎解き」を試していただきました。謎解きの題材として、「宇宙天気予報センター(太陽活動の地球への影響を調べて伝える機関)」などの日常生活であまり触れることの無い専門的な研究業務をあえて選びましたが、参加者はタブレット端末で映像空間の中から情報を得て、謎を解いていく新たな形態に対して新鮮さを感じながらも、すぐに慣れて楽しんでいる様子が見られました。また、これまで専門的だった情報が、近未来には誰もが容易に調べられ、より身近なものになるのではないかという期待や、より多くの人と体験したいという共同体験への期待、もっと多くの謎解きを体験したいというコンテンツへの期待が寄せられ、「みなっぱ」の更なる可能性を確認できました。
意見・論点
「ハイブリッド謎解き」の参加者のアンケートからは、「楽しかったですか?」という質問に対して全ての体験者が肯定的に回答し、体験者の93%が題材とした専門的な内容に興味を持ったと回答しており、研究機関などのアウトリーチの効果は極めて高いことが改めて確認されました。
キーワード
バーチャル空間と現実世界を行き来することの面白さや、タブレットを用いた謎解きの工夫に対する楽しさといった声の他に、「みなっぱ」への期待が多く寄せられました。また、このことから、「みなっぱ」という新しい技術の導入が自然であり、「ハイブリッド謎解き」の体験設計の完成度の高さが示されました。
来場者との対話から得られたこと・今後に生かせること
来場者との対話から、実際の映像をもとにするバーチャル空間は利用者に受け入れられやすく、謎解きというゲーミフィケーションの要素を取り入れることで、題材への意欲や集中力が格段に向上することが確認できました。対話を促す設計(参加者の誘導や自然に引き出す仕掛けなど)や、多様な層への配慮(年齢や経験に応じた難易度調整や説明の工夫など)、安全面の設計などについては想定する体験を実現できましたが、「みなっぱ」に対する期待から、共有空間の必要性と更なる可能性について考えるきっかけとなりました。これらの学びを次回の展示に反映させることで、より深い対話と共創の場を築いていけると考えます。