事業について

事業概要

課題

現在、日本において、科学技術イノベーションの重要な担い手である若手研究者は、安定的な職を得るまでの間、長期にわたって任期付ポスト間の異動を繰り返すなど不安定な雇用環境に置かれています。また、セクター(大学、独立行政法人、企業等)間の人材の流動性が低いという状況があります。これらの事情が、次世代を担う優秀な若手研究者が、自らの研究活動に専念し、優れた研究成果を上げ、多様な場で自らの能力を存分に発揮する中で成長していくことの障害となっています。
また、最先端の研究開発の現場において、高度な研究設備・施設の操作、競争的資金の獲得、知的財産の管理等を行い、大学や独立行政法人等の研究機関(以下、「研究機関」という。)における研究活動を支える研究支援人材が不可欠です。文部科学省はその育成支援に取り組んでいますが、まだ職として十分に確立されておらず不安定な雇用環境に置かれている者も多く、諸外国と比較してその育成・確保は不十分な状況です。

事業の概要

本事業は、複数の大学・研究機関等で“コンソーシアム”を形成し、企業等とも連携して、若手研究者及び研究支援人材の流動性を高めつつ、安定的な雇用を確保することで、キャリアアップを図るとともに、キャリアパスの多様化を進める仕組みを構築するモデルとなる優れた取組を支援します。

① 次世代研究者育成プログラム
(次世代研究者の育成)
コンソーシアムにおいて、公正な審査を経て選考した若手研究者に対して、コンソーシアム内の研究機関で研究に専念させるとともに、流動性を高めつつ、安定的な雇用を確保する。また、国内外の研究機関、企業等での共同研究や人的交流、留学・研修などの機会を提供し、視野や知見を広げ、業績等を積み、自らの適性に応じたキャリアアップを図るシステムを構築し、次世代を担うグローバルリーダーとなる研究者を育成する。

(イノベーション創出人材の育成)
コンソーシアムを構成する研究機関で雇用しているポストドクター及び博士課程(後期)学生をコンソーシアムで選抜し、企業等と連携し特定の学問分野の専門能力だけでなく、国際的な幅広い視野や企業等などの実社会のニーズを踏まえた発想を身に付けたイノベーション創出人材として養成するシステムを構築し、研究機関の研究者以外の多様なキャリアパスの確保を支援する。

② 研究支援人材育成プログラム
コンソーシアムにおいて、公正な審査を経て選考した研究支援人材に対して、コンソーシアム内の研究機関において研究プロジェクトに従事させ、安定的な雇用を確保するとともに、他の研究機関、企業等と連携しながら、複数の研究機関における経験、研修等の機会を提供し、専門職化、キャリアアップを図るシステムを構築し、専門性の高い研究支援人材を育成する。

イメージ図:事業概要