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資料4

開発課題名「CO2大気カラム濃度自動計測装置の活用・普及促進」

最先端研究基盤領域 開発成果の活用・普及促進

開発実施期間 平成26年12月〜平成29年3月

チームリーダー :  長谷川 和雄【明星電気株式会社 技術本部 本部長】
中核機関 :  明星電気株式会社
参画機関 :  名古屋大学、東京大学、鹿児島大学
T.開発の概要
【装置】本プログラムの「実証・実用化タイプ」で開発した「CO2大気カラム濃度自動測定装置」を開放(共同利用)する。この装置は、太陽追尾装置により、直達太陽光を光ファイバーで干渉計に導入し、その信号から大気中のCO2濃度を測定するものである。
【内容】開発した小型・安価で耐環境性に優れたCO2自動測定装置を国内外のユーザーと共用する。本装置により、都市だけでなく、泥炭地や森林地、CO2帯水層貯留地など従来法では計測不可能な自然環境下で、CO2の発生量や漏洩量をモニターし、炭素管理科学的データを得ることが可能となり、CO2の排出削減等への貢献が期待できる。
U.開発項目
(1)共用装置の稼働状況
 大気観測装置なのでトラブル以外は連続稼働であり、稼働率は約80 %であった。
(2)年間外部利用・外部利用公募
 国内:通年24時間、3件(富士山、都内、つくば市) 国外:通年24時間、3件(インドネシア気象気候地球物理庁スマトラ島ペカンバル測候所、カリマンタン島パランカラヤ測候所、同技術評価応用庁ジャワ島セルポン)

 2015年5月「大気CO2カラム計無償共用のお知らせ」和文版・英文版を大気化学学会、日本泥炭地学会、NOAAなどに配布
(3)チームとしての成果発表等件数
 学会発表9件、論文3件、総説1件
V.評 価
 本プログラムで開発した「CO2大気カラム濃度自動測定装置」の活用・普及を図ることを目的とした課題である。装置の製作は、計画より遅れたものの装置の中心部であるエタロンを内製化したことで、装置の品質・信頼性が向上し、販売の成功にもつながっている。共用については、インドネシアの泥炭火災や都市排出由来のCO2の観測などを実施しており、また得られたデータについても、学会や論文での発表を行っている。
 CO2濃度の科学的計測は、温暖化対策政策決定の基礎となる重要なものであるから、今後、本装置の特徴である過酷な気象条件でも現場で自動観測ができること活かして、さらなる活用・普及を期待したい。
 本開発は、当初の共用目標をほぼ達成しており、本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する。 [A]