資料4

開発課題名「トモグラフィー電子顕微鏡用ソフトウェアの活用・普及促進」

最先端研究基盤領域(旧一般領域) 開発成果の活用・普及促進

開発実施期間 平成24年10月〜平成27年3月

チームリーダー :  御堂 義博 【大阪大学 大学院情報科学研究科 助教】
中核機関 :  大阪大学
参画機関 :  大阪工業大学、(株)ダイナコム
T.課題の概要
 【装置】本プログラム「ソフトウェア開発タイプ」において開発した高速処理型トモグラフィー(断層影像法)電子顕微鏡用ソフトウェア(HawkC)を、開放(共同利用)する。
 【内容】本ソフトウェアは、トモグラフィー専用電子顕微鏡に搭載することにより、立体組織の高速可視化を可能とする。生命科学・材料科学における形態の3次元観測を簡便化し、電子顕微鏡トモグラフィーの更なる活用を推進する。また、本ソフトウェアと3次元プリンティング技術を融合することで、試料の観測から3次元データの生成、輪郭抽出、立体像および立体模型の作製までをシームレスに実行することが可能となる。本ソフトウェアの活用により、実物の模型を手軽に素早く生成すること可能となれば、基礎研究分野のみならず、広く医療・工学などの応用分野においても大きな貢献が期待される。
U.評価項目
(1)共用装置の活用状況
 H24〜H25にかけて、専門的外部評価者14名に本ソフトウェアの解放を実施した。H25年度には構築した専用ウェブサイトを通じてソフトウェアを共有化し、24時間稼働した。年間内部利用・年間外部利用共に、200時間・10件・10人の目標を達成。また、チーム外のソフトウェア共用実績件数はH25年に25件、H26年に193件であった。さらに、ソフトウェア活用セミナーを計6回開催し、目標を達成した。
(2)成果発表
 論文発表2件、口頭発表10件(うち3件は招待講演)、ポスター発表6件、商業展示2件の、計20件の発表を行い、目標を大幅に上回った。
V.評 価
 本課題は、トモグラフィー電子顕微鏡用として開発したソフトウェアの普及促進であり、その結果、当該ソフトウェアの利用についての目標を十分達成した。また、昨今の3次元プリンティング技術の発展により、様々な用途への適用の可能性が広がっており、更なる利活用が期待される。内部および外部識者等様々な研究者とのコンタクト・評価、展示会やネットを活用したPR活動、要望の吸上げと反映等、開発成果の活用・普及促進という本事業の主旨に即した活動により、当該ソフトの有用性・将来性と社会への貢献に明るい展望を見出している。今後、事業性を加味した新たなビジネスモデルの設計・構築を目指し、当該成果の活用に寄与して頂きたいと思う。
 本開発は当初の開発目標を達成し、それを上回る特筆すべき成果が得られたと評価する[S]。