資料4

開発課題名「CO2濃度空間分布測定ライダー装置の活用・普及促進」

最先端研究基盤領域(旧一般領域) 開発成果の活用・普及促進

開発実施期間 平成24年10月〜平成27年3月

チームリーダー :  長澤 親生【首都大学東京 大学院システムデザイン研究科 教授】
中核機関 :  首都大学東京
T.課題の概要
 【装置】本プログラム「機器開発タイプ」において開発した二酸化炭素(CO2)濃度空間分布測定用ライダー(レーザーを光源とするレーダー手法)装置を開放(共同利用)する。
 【内容】大気中のCO2は地球温暖化に対する影響が大きい気体であり、その濃度の空間分布を高頻度・広域・高精度で測定することは重要である。本装置はCO2濃度の鉛直及び水平分布の高精度な遠隔測定が可能であり、移動体搭載型である本装置の活用により地球温暖化予測研究などへの貢献が期待される。
U.評価項目
(1)共用装置の活用状況
 共用稼働日数は、累計77日であり最終目標をほぼ達成した。 年間利用度は、内部利用が累計で23日、1件、1人で最終目標を達成したが、外部利用が累計で2日、1件未満、1人未満であり最終目標を達成できなかった。
(2)成果発表
 チームの成果発表は、累計で学会発表32件、論文発表3件、プレス発表1件であり、ほぼ最終目標を達成した。共用先の成果発表は、共用実績が少なく累計で学会発表7件、論文発表0件であり最終目標には達しなかった。
(3)その他の成果
 GOSAT衛星観測の検証を行い、昼間の長時間連続観測に成功し、アルゴリズムの改良を促進する上で成果を上げた。
V.評 価
 本課題は、機器開発タイプにおいて開発した二酸化炭素(CO2)濃度空間分布測定用ライダー(レーザーを光源とするレーダー手法)装置の普及・促進を図るものである。共用稼働日数、外部共用日数、内部利用日数ともに、設定した最終目標を十分には達成できなかった。また、工場地帯や森林地帯など様々な環境での測定を目指して移動用トレーラーに機器を設置したが、機器破損による修理に時間を要し実際の移動計測は残念ながら十分行えなかった。
 今後は移動性能を積極的に活用し、多くの独自データの測定により新たな知見を見いだすことを期待する。
 本課題は当初の目標をある程度達成したが、本事業の趣旨に相応しい成果のレベルまでには達しなかったものと評価する[B]。