資料4

開発課題名「分光技術を活用した次世代型太陽電池評価装置の実用化開発」

最先端研究基盤領域(旧一般領域) 実証・実用化タイプ

開発実施期間 平成24年10月〜平成27年3月

チームリーダー :  西川 宜弘 【コニカミノルタ(株)センシング事業本部 担当課長】
サブリーダー :  内田 聡 【東京大学 教養学部附属教養教育高度化機構 特任教授】
中核機関 :  コニカミノルタ(株)
参画機関 :  東京大学、(財)神奈川科学技術アカデミー
T.開発の概要
 薄膜系太陽電池の特性は、分光感度が結晶シリコン太陽電池と異なる等の理由から、従来の評価法では正確に測定できなかった。本課題では、@非線形な特性を持つ太陽電池の分光感度を正確に測定する「絶対値分光感度測定装置」の開発と、A任意の太陽電池に対して1台で測定可能な「分光型基準セル」を開発する。これらの装置により、@従来困難であった低照度での評価が可能に、A評価期間を大幅短縮、B評価費用を大幅削減することが期待される。
U.開発項目
(1)分光型基準セル
 コニカミノルタ社指定の太陽電池にて1 Sun ±1.5 % / 0.01 Sun ±4 %、短絡電流測定時間、500 msec 以下を達成した。
(2)絶対値分光感度測定装置
 コニカミノルタ社指定の太陽電池にて1 Sun ±1.5 % / 0.01 Sun ±4 % を達成し、DSR c-Si測定で3時間以下(校正90分、測定90分を達成した。外形サイズは630 (D) X 680(W) X 1535(H) mmで、目標値を達成した。
(3)共通
 DSCの低照度におけるLight Soaking現象の原因は、光照射により電子寿命が長くなり、性能が向上していることが判った。
 DSC推奨測定方法を基にして、手動にてDSC測定を実施し、正確な値を測定できた。
 分光感度測定において、最適な測定条件を設定するためのアルゴリズムを分光感度測定装置に搭載し、このアルゴリズムの性能確認中である。
V.評 価
 開発実施計画に沿って順調に開発が進められ、当初目標仕様を上回る性能を達成している。その間、ベースとなったDSR方式が国際標準として認証され、2次標準手法として、本チームがトップの実績を上げつつある。世界的に太陽電池の開発が低調となる変化の中ではあるが、本装置は、太陽光以外の光源にも適用可能であるという特有の性能を活かして、LED等の新光源の発電効率の測定など、多方面への応用、普及が期待できる。
 本開発は当初の開発目標を達成し、新たな市場ニーズにも対応できる本事業の趣旨に相応しい成果が得られたと評価する[A]。