資料4

開発課題名「電子顕微鏡の高精度制御及び生体高分子結晶構造解析ソフトウェアの開発」

(平成21年度採択:ソフトウェア開発プログラム)

チームリーダー : 米倉 幸治【(独)理化学研究所 播磨研究所 米倉生体機構研究室 准主任研究員】
中核機関 : (独)理化学研究所
参画機関 :  (株)日立ハイテクノロジーズ
東京大学
(株)日立ハイテクフィールディング
T.開発の概要
 生体分子の機能の解明、創薬への応用を目指し、試料ステージの高精度な回転制御が可能な電子顕微鏡システムを用いた、生体高分子の回転制御が可能な電子顕微鏡システムを用いた、生体高分子の三次元微小結晶からの構造解析技術及びクーロンポテンシャル分布の可視化ソフトウェアの開発を行う。また、結晶作成の難しい生体超分子複合体、生体膜中の生理的な環境下における膜蛋白質、さらには細胞小器官などの不均一で複雑な試料の構造解析のため、低温電子線トモグラフィーの高精度で操作性の良い制御ソフトウェアを開発する。
U.中間評価における評価項目
(1)電子線回折回転写真自動撮影の制御ソフト
 ほぼ目標を達成しているが、本開発項目は機器開発の積み残しと言わざるを得ず、本来はソフトウェア開発の公募前にプロトタイプ機として備えておくべき内容である。
(2)電子線回折データの処理ソフト
 仕様書の作成が終了し、実装作業を進めている段階である。
(3)クーロンポテンシャル可視化ソフト
 荷電分布を仮定した電子線回折強度の生成は仕様書を確定し、実装作業中であるが、最適なクーロンポテンシャル分布の計算ソフトは開発中である。
(4)低温電子線トモグラフィー自動撮影の制御ソフト
 本開発項目は機器開発の積み残し課題と言わざるを得ず、本来はソフトウェア開発の公募前にプロトタイプ機として備えておくべき内容である。
V.評価
 生体分子の機能解明を目指したステージ回転制御が可能な電子顕微鏡の制御ソフトウェア、及び生体超分子や膜タンパク質のような生体分子の構造解析を行うための電子線トモグラフィーの制御ソフトウェアと、これら2種類のプロトタイプ機に対するソフトウェアの開発を目標としている。どちらのソフトウェアについても、ソフトウェアよりもハードウェア上で解決すべき問題点が多く、設定されたマイルストーンもハードウェアで解決すべき問題が多いと判断する。「ソフトウェア開発プログラム」は、プロトタイプ機であるハードウェアそのものの改良を目指すものではなく、機能的には完成しているハードウェアのユーザビリティ向上を目指すソフトウェアの開発を目的としており、本課題については計測機器制御の組込みソフト、計測データ集録ソフト、データ解析ソフトを明確に分類した上で、データ集録およびデータ解析ソフトの中で、最終ターゲットとして実現すべき課題を明確にして、再度計画を練り直し、開発事項を整理した上で効率的・効果的に開発を推進すべきである[B]。


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