資料4

開発課題名「超LSI故障個所解析装置ソフトウェアの開発」

(平成21年度採択:ソフトウェア開発プログラム)

チームリーダー : 中前 幸治【大阪大学大学院情報科学研究科 教授】
中核機関 : 大阪大学
参画機関 :  浜松ホトニクス(株)
(独)理化学研究所
(株)アストロン
T.開発の概要
 これまでに開発してきた「超LSI故障個所解析装置」の実用化のために、CADデータおよび故障データベースを有効利用した故障個所絞り込み支援ソフトウェア並びにユーザーインターフェイス(ソフトウェア)の開発を行う。ユーザビリティが高く、信頼性の高い解析システムに仕上げることを目的とする。さらに、故障個所解析装置の普及を促進するため、故障個所絞込み結果を標準化するプラットフォームソフトウェアの開発を行い、これに続く故障原因を追及する物理解析装置への円滑な連携を可能とする。
U.中間評価における評価項目
(1)大規模なLSIのCADデータへの対応
 LSIの階層を一旦平坦化してから故障回路を抽出処理する方法から階層構造を保持したまま処理が可能になり、高速化を実現した。
(2)ユーザーインターフェイスの開発
 LTEMの自動測定を可能にして高速化を実現した。LTEMによる良品と不良品のデータを画像化し、それらの差分を求めて故障部位の検出を可能にした。現在はチャンピオンデータで確認しているが、今後は故障部位の判定限界を見極めるようなテストも行い、ソフトウェアのブラッシュアップを図っていただきたい。
(3)グラフィカルユーザーインターフェイスの開発
 LTEM像の時間軸を加えた3D表示が可能になり、ノイズをキャンセルし、故障部位をより正確に絞り込むことに成功していることは評価に値する。
V.評 価
 本事業「機器開発プログラム」で開発された「超LSI故障個所解析装置」のユーザビリティ向上を図るソフトウェアの開発を目的としている。ソフトウェア開発は目的通り進捗しており、定めた数値目標を達成している。ユーザビリティの向上には、本装置が実際に利用される局面を想定し、要求仕様を定める必要があるため、今後は、装置を使うと想定される半導体メーカー等ユーザーの視点を加え、本装置の計測上の有用性、特徴等が生かせるようにポイントをおさえつつソフトウェアの骨格を作り上げることを念頭におき、着実に推進すべきである[A]。


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