チームリーダー : |
京増 幹雄【プレサイスゲージ(株)技術開発室 室長】 |
中核機関 : |
プレサイスゲージ(株) |
参画機関 : |
東京工業大学 |
- T.開発の概要
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有機太陽電池は、大面積で安価な物ができる反面、光電変換効率が悪いことが問題となっている。本開発では、光電変換効率の良い有機太陽電池開発のため、光を電気に変換する機構の中でさまざまなパラメータを計測する機器の開発を行う。本開発により、変換効率を上げるために重要と考えられるパラメータの解析が可能となり、高光電変換効率の有機太陽電池の開発が期待される。
- U.中間評価における評価項目
- (1)有機太陽電池の平均電界分布の測定技術・原理確立
- @原理確立用SHG分光装置および測定プログラムを作製した。
・全測定波長領域400-600nm(入射光波長800-1200nm)でのSHG検出能を確認
- A有機太陽電池に用いられる材料が、現在公表されている高効率有機太陽電池の開放電圧〜1Vの1/10の変化であってもキャリア寿命測定とするのに十分強いSHG光を発生することを実証した。
- ・検出限界(電界強度) n型材料 フラーレン:5.0×103V/cmを達成
- p型材料 フタロシアニン:2.0×104V/cm
- ※積算回数を増やすことで数値目標達成範囲内
- B実際の有機太陽電池として2層積層膜構造試料での電圧分担比精度を確認し、材料ごとに達成した電界測定精度が2層構造試料でも保たれることを確認した。
- (2)有機太陽電池キャリアのライフタイム測定技術・原理確立
- SHG光をプローブとした有機太陽電池のキャリア寿命評価が可能であることを世界に先駆けて実証した。光励起による有機太陽電池界面のキャリアが発生、光励起遮断後のキャリア消失がSHG光強度の変化として明確に現れた(測定に供した試料ではキャリア寿命100 secを示した)。
- (3)膜厚方向分解ユニットの作製
- 対物レンズを搭載するピエゾアクチュエータとして、P.I.Japan製725.xDDを採用した。この結果として±5nmの精度を確保している。
- (4)縦偏光生成ユニットの作製
- 対物レンズとしてNA 0.9のものを確保したので、横電界強度:縦電界強度=1:9が確保された。
- V.評 価
- 有機材料を利用した太陽電池のキャリア寿命、膜厚方向の電界分布を3次元空間で測定できる装置開発で、キャリア寿命を評価する方法として、有機材料のSHG(2次非線形光学効果)をプローブとして検出するものでSHGが確認され計画通り順調に進んでいる。今後は有機二層真空蒸着膜、膜厚方向の電界分布の挙動など詳しい計測データを取得し、さらなる開発推進により有機蒸着薄膜の均一性、結晶系の制御、薄膜の応答性、量子効率、およびZ軸方法(膜厚方法)の動作範囲の制御等を解決し、着実に開発を推進するべきである[A]。
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