チームリーダー : | 小林 啓介 【独立行政法人 物質・材料研究機構 共用ビームステーション ステーション長】 |
中核機関 : | 独立行政法人 物質・材料研究機構 |
参画機関 : | アルバック・ファイ 株式会社 名古屋大学 京都大学 大阪大学 奈良先端科学技術大学院大学 武蔵工業大学 財団法人 高輝度光科学研究センター |
- T.開発の概要
- ナノデバイス・ナノ材料の3次元化学結合状態を分析できる硬X線光電子分光装置を開発する。開発では、電子の脱出角依存性を試料の角度を変えることなく一度に測定できる広角度アクセプタンス対物レンズを使用する。さらに収束硬X線の試料上での2次元走査を加えて、3次元化学状態分析を実現する。高密度集積回路、磁気薄膜電子デバイス等新規ナノ材料の分析装置としての活用が期待できる。
- U.中間評価における評価項目
- (1)放射光装置の開発
- オフライン評価として、金属メッシュを対象試料とし、電子線照射広角対物レンズにより集光した像を確認した。オンライン評価として高精度集光ミラ−によって集光スポットサイズ1μmを達成した。
- (2)実験室装置の開発
- AlKα、CrKβ線源によるテスト装置については、各線源による励起X線の目標感度を達成した。CrKα装置については、装置設計を終了し、作製を開始した。
- (3)分析手法開発
- 解析手法テストを終了し、目標は達成しているが、今後はさらに深い分解能での分解能達成をはかる。
- V.評価
- ナノデバイス・ナノ材料の3次元化学結合状態を分析できる硬X線光電子分光装置の開発は、広角度アクセプタンス対物レンズを使用し、収束硬X線を2次元走査することにより、3次元化学状態分析を実現し、高密度集積回路、磁気薄膜電子デバイス等新規ナノ材料の分析装置となることが期待される。
- 開発は順調に進行しているが、硬X線により励起された光電子を広角度アクセプタンス対物メッシュレンズによりアナライザーに取り込む際、角度情報が十分に得られない可能性を再検討して開発を進めることとする。今後は更なる高精度なメッシュレンズの製作に注力しつつ、着実に推進すべきである。