資料4

開発課題名「X線円形多層膜ラウエレンズの開発」

(要素技術プログラム)

チームリーダー :  篭島 靖 【兵庫県立大学 物質理学研究科 教授】
中核機関 :  兵庫県立大学
参画機関 :  NTTアドバンステクノロジ 株式会社
T.開発の概要
 超精密成膜技術を用いて、高空間分解能かつ高回折効率のX線円形多層膜ラウエレンズを開発する。従来の電子ビームリソグラフィー法に基づくX線レンズの製作では、いずれの性能もほぼ限界に達しており、ナノメータスケールの非破壊構造観察を実現するには、新しい製作法の導入が不可欠である。10 nm 以下の空間分解能を有するX線円形多層膜ラウエレンズを開発し、究極の電磁波であるX線自由電子レーザーがもたらすX線画像科学における質的変革の一翼を担う。
U.中間評価における評価項目
(1)光学特性計算プログラムの開発
 当初計画の仕様を有する光学特性プログラムを完成した。
(2)1次元多層膜ZPの性能評価
 当初目標を上回る形状精度と光学性能を達成した。
(3)1次元MLLの製作技術の開発
 平板上傾斜多層膜構造作製機構の開発においては、厚み方向の線幅傾斜について目標値を達成し、断面構造制御については実現可能性の実証を試みている。
 包埋・固定・切断・研磨・平滑化技術の開発においては、厚み面内誤差の目標値を達成した。
V.評価
 超精密成膜技術を用いた高空間分解能かつ高回折効率のX線円形多層膜ラウエレンズの開発は、X線顕微鏡への応用など、ナノメータースケールの空間分解能が求められる非破壊分析技術への貢献が期待される。
 開発は順調に進行しており当初目標に掲げた成果は達成できると思われる。今後は、最終目標である円形多層膜ラウエレンズを完成させ、X線マイクロ結像の分野におけるキーテクノロジーとして確立し、企業が参画している強みを活かしつつ、着実に推進すべきである。


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