事業成果

「明るく豊かなカーボンニュートラル社会」の実現を目指して

低炭素社会実現のための社会シナリオ・戦略を提案2022年度更新

明るく豊かなカーボンニュートラル社会に向けて

低炭素社会戦略センター(LCS:Center for Low Carbon Society Strategy)とは

低炭素社会戦略センター(LCS)は、科学技術による未来の共創に総合的に取り組むJSTのシンクタンクの1つとして、エネルギーを効率よく利用する技術の開発や、再生可能エネルギーの利用を計画的に増やすことによる「科学技術を基盤とした明るく豊かなカーボンニュートラル社会」づくりに向けた検討を行い、明るく豊かなカーボンニュートラル社会像を描くとともに、その実現に向けたシナリオ戦略を提言している。

未来の社会を実現するためのシナリオと戦略を作る
LCSのアウトプット

LCSでは、明るく豊かなカーボンニュートラル社会のビジョン、カーボンニュートラルに向けた科学技術の現状と将来の評価や研究開発戦略、ビジョンの実現に向けた社会シナリオ、LCSの分析手法などを「イノベーション政策立案のための提案書」としてとりまとめ、公表している。2021年度は提案書への取材や引用の問い合わせ等も多く、年々アクセス数が増加し、関心度の高まりがうかがえる。

2021年度は「情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響(Vol.4)― データセンター消費電力低減のための技術の可能性検討 ―」をはじめ定量的評価に基づく社会シナリオ研究と提案のとりまとめを進めた。

2018年度から継続している情報化社会の進展が将来のエネルギー消費に与える影響を予測した研究では、これまでの技術進捗を織り込まない推定から、いくつかの仮定の下で技術進捗の継続を予測し、国内および世界のデータセンターにおける将来の消費電力を予測した。この一連の成果は総務省や経済産業省の審議会の場や、内閣府の『令和3年度 年次経済財政報告』などでも取り上げられている。

また、東京五輪大会で競技施設建設に使われた鉄鋼量や、製造時に発生するCO2について「鉄リサイクルを利用した将来低炭素社会のための課題検討にむけて―2020年東京五輪施設のリサイクル鋼材利用とCO2排出実績―」と題し報告書をまとめ、今後の五輪ホストシティが活用することが望ましいといった内容の提言をとりまとめ、新聞などでも紹介された。これらの内容をもとに国内外への情報発信・意見交換を行っている。

図4

提案書アクセス数