問題解決型サービス科学研究開発プログラム 【国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター】

平成29年3月で本プログラムは終了いたしました。

トピックス

舘岡プロジェクト サイトビジット 2012.07.16

静岡大学・舘岡先生が率いる「やさしい社会の実現を目指したサービスにおける利他性の研究:自殺防止相談員の事例を中心に」プロジェクトです(以下、舘岡PJ)。静岡大学浜松キャンパス・創造科学技術大学院にて、平成23年度の成果と平成24年度の研究計画について報告がありました。


まず、プロジェクトリーダーである舘岡先生より研究の全体概要と進捗状況について発表がありました。


続いて、実践班の東内氏より自殺防止相談員がその活動に参加するきっかけや、それを続けていく動機を明らかにするために実施したインタビュー調査の報告がありました。調査の結果、参加するきっかけや継続していく動機に関連して、「居場所」、「理念との一致」、「共通感覚としての喜び」などの6つの鍵概念が抽出されました。これらの概念をより明確に定義すべく調査を継続しているとのことでした。


続いて、研究班の森下氏より、老舗の経営と利他性に関する研究報告がありました。老舗の経営の中には、やさしい社会実現に向けたエッセンスが詰まっているだろうという観点から研究を進められています。実施したインタビュー調査から一般企業で働く従業員が職場に閉塞感を感じているのに対して、老舗で働く従業員は仕事する上で周りの従業員との関係性(つながり)を重視していることが分かりました。つまり、老舗では、従業員が一緒に働く同僚に対して、互いに施し合いながら仕事をしていることが考えられます。


発表の様子

発表の様子

各研究報告の間には、ワークショップ形式のグループ討論が挟まれ、「コミュニティ活動への参加経験」、「利他性について」、「やさしい社会とは?」、「サービス科学とは?」、などのテーマについて活発に意見交換が行われました。舘岡PJならではのユニークなサイトビジットとなりました。