問題解決型サービス科学研究開発プログラム 【国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター】

平成29年3月で本プログラムは終了いたしました。

プロジェクト紹介

土居 範久

土居範久写真

【所属・役職】
慶應義塾大学 名誉教授
科学技術振興機構 社会技術研究開発センター 参与


【プロフィール】
日本学術会議 副会長
文部科学省 科学技術・学術審議会 委員
文部科学省 科学技術・学術審議会 情報科学技術委員会 委員長
文部科学省 次世代スーパーコンピュータ戦略委員会 主査
総務省 情報通信審議会 会長代理
総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 会長
総務省 電波政策懇談会 座長                 
経済産業省 産業構造審議会 臨時委員(情報セキュリティ部会委員) 
経済産業省 情報セキュリティガバナンス研究会 座長
宇宙航空研究開発機構 情報化評価委員会 委員長
ACM日本支部長   などを歴任

現在
文部科学省 HPCI計画推進委員会 主査
文部科学省「次世代IT基盤構築のための研究開発」プログラムディレクター
防衛省 情報流出対策会議 有識者委員
総務省 ホワイトスペース推進会議 主査
科学技術振興機構 社会技術研究開発センター
 「問題解決型サービス科学研究開発プログラム」プログラム総括
情報マネジメントシステム(IMS)運営委員会 委員長
システムセキュリティマネジメントシステム(CSMS)評価認証制度 有識者委員会 委員長
ITセキュリティ評価・認証プログラム運営委員会 委員長
暗号モジュール試験及び認証制度運営委員会 委員長
特定非営利活動法人 日本セキュリティ監査協会 会長
情報セキュリティガバナンス協議会 会長
ブロードバンドワイヤレスフォーラム 会長
地域WiMAX推進協議会 会長  など

専門はソフトウェアを中心とした計算機科学および情報セキュリティ


【「サービス科学」または本プログラムへの想い】
今や全産業の7~8割がサービスに関わると言われます。サービスの効率を上げることも確かに重要ですが、効率に目が行きすぎると非人間的になり、何のためのサービスかわからなくなります。このプログラムでは、サービスの受け手は人であるということをしっかり踏まえ、生のデータを使っていろいろな切り口から現象を捉え、自然科学だけでなく人文・社会科学など色々な分野の知見を総合して解析・分析を行い、サービスとは何か、何をどうすればもっと良くなるか、を研究していきたいと思います。
私の専門はコンピュータ・サイエンスですが、人工物である「コンピュータ」も、現象を観察し、そこでの事実を解析し、抽象化し、法則化し、定理を創れば、「自然科学」同様、「科学」です。もちろん「サービス」も同じです。
例えば、超一流と言われる旅館のサービスは本当にその旅館でしかできないのでしょうか。まずその旅館のサービスをきちんと調べることが必要です。経営者の姿勢や方針、従業員の態度や教育、施設の状況など、いろいろな切り口があります。科学的に研究を行い、定理を導きだせば、その旅館でなくても同じサービスができるかもしれませんし、そこでの手法はレストラン、スポーツクラブなど他の業種でのサービスの向上につながっていくかもしれません。
RISTEXの研究開発プロジェクトは、特定の現場を持っていることが特徴です。基礎研究と応用研究の間で、現場のデータを踏まえて特定の分野のサービスの効率や質を上げ、新しい価値を生み出すための研究を行うのが問題解決型のアプローチ(A.問題解決型研究)です。研究開発の成果はその分野を超えて、他の分野にも適用できるように広がって欲しいと思っています。また理論の側から、どの分野でも共通に行われていることを発見し、実証実験を行い、将来的に現場のさまざまな問題解決に応用できるようにするのが横断型のアプローチ(B.横断型研究)です。双方の相互作用でサービス科学の基本的な部分の財産を増やしていきたい。成果を積み重ねることにより、サービスの質が上がり、人間がもっと楽しく、過ごしやすくなれば、まさに社会に対して科学が役に立つということになります。
ありとあらゆる分野からいろいろな研究開発プロジェクトの提案が出てくることを楽しみにしています。