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  4. 領域のリサーチ・クエスチョン

領域について領域のリサーチ・クエスチョン

本領域では領域全体の成果のとりまとめに向けて、下記のリサーチ・クエスチョンを設定し、随時、問いと答えを見直しながら進めており、皆さまからのご意見を随時受付けています。たくさんのご意見をお待ちしております。

ご意見はこちらよりお願いいたします

平成30年1月現在

Q1.持続可能な社会の実現にとって、どのような多世代的なアプローチが有効か?どのような問題に何故有効なのか?


①日本の高齢者比率は既に4分の1を超え、2024年以降は3割を超え続ける。こうした社会を持続可能なものにしていくためには多世代共創は不可欠である。方法論の改善には試行錯誤を伴う時間が必要であることを考えれば、有効な方法論の開発と普及は緊急度の高い課題である。また、日本を追って高齢化する諸外国にも応用可能であろう。

②先祖から子孫につながる流れの中で、人々が「今を託された世代である」という意識を持つことが、持続可能な社会の実現のためには不可欠である。そのためには、将来の世代に思いを致すとともに、過去の世代が将来に何を残そうとしたかについて知る機会が重要であろう。核家族化の進展や、生活の多忙化のためにこうした機会は減少している。

③社会的な意思決定に大きな役割を果たしているのは現役世代であるが、この世代は、職業や立場の影響を受けることが多い。利害関係に巻き込まれる前の若年世代や、利害関係から脱した高齢者の、より自由で純粋な発想から得るものは大きい。

④国際化や技術進歩のために、持続可能な社会とは同じことを続ける社会ではない。持続可能性は人々の価値観にも依存して決まるものであり、当事者性の高い若い世代に加え、経験を積んだ上の世代が参加して社会的な合意を形成することが望ましい。

⑤持続可能な社会の実現のためには、単に個人個人がそれを志向するだけでは不十分で、実現に向けた社会的なシステムの構築や、そのための合意形成が不可欠である。こうした合意形成も多世代で行われることが望ましい。

⑥核家族化の中で、地域での世代間の助け合いの必要性が増している。安心を担保するような社会技術やICT開発・活用の余地が大きい。また、助け合いから生まれたつながりが発展していくこともある。行政は世代別のアプローチが主流であるが、多世代共創という横断的アプローチはその弱点を補完できる可能性がある。

⑦人々は、生活の利便性だけでなく、他者とのつながりを通じた充実感も求めている。同世代との交流・共創だけでなく、他世代との交流・共創も重要であろう。子供の重要性を示唆する調査結果があるが、どのような分野でどのような他世代の重要性が何故高いかを明らかにすることも、今後の重要課題であろう。

Q2.特に若い世代(子供、学生、若年単身者、子育て世代等)にとって、多世代共創的活動に参加するための動機にはどのようなものが考えられるか?


①核家族化の進展や、幼少期に年上・年下の子供と遊ぶ機会が減少したために、若者にとって斜めの人間関係を築く機会が減少している。また、親の経験から学ぶ機会が減少するとともに親でない大人との関係も希薄になっている。機会が与えられれば若い世代がこれらの重要性を認識し積極的に参加するようになる可能性がある。

②若い世代は諸課題(勉強、進学、恋愛、就活、子育て等)を抱えており、少子化や貧富の格差拡大に伴って強まった親からの期待の下で、心理的な余裕がない場合も多い。そこで、こうした諸課題と組み合わせる形や、こうした諸課題をより有効に解決できるチャネルとして、またレジリエンスを強化し得る場として、多世代共創的活動を設計していくことが重要であろう。

③若い世代内部での競争関係に鑑みれば、上記の諸課題との関連が不明確な活動に参加することで、自分だけが遅れてしまうという不安を抱く可能性に留意が必要であろう。このため「参加の制度化」(次項目参照)も重要であろう。

④現代の若い世代は、非正規雇用の比率が高く、将来への大きな不安を抱いている。この不安を何らかの形で軽減するような多世代共創の方法を考えることが望ましい。

Q3. 仮に多世代共創的活動の中で、持続可能な社会の実現にとって効果があるものがあるのに、一部の世代に十分な動機がないことが障壁となっている場合に、参加の制度化などに向けて、どのようなことが考えられるか?


①まず、動機を高めるための努力(持続的な社会の重要性に関する認識の浸透、経験者による体験談の広報、ネットワーク作りの促進など)が重要であろう。

②しかし、経験しないとわからない効能もあり、活動への参加で自分だけが遅れてしまうという不安にも配慮する必要があるので、何らかの制度化も考えるべきであろう。具体的には人為的なインセンティブを付加する場合と強制的要素を持たせる場合とが考えられる。

人為的なインセンティブとしては、謝礼、資格(就職面での優遇等)などが考えられるが、コストに見合ったメリットがあるなら、それをどう回収できるかも含めて積極的に検討すべきであろう。

強制的な要素をもったものとしては、学校教育への組み込みや義務化が考えられる。その場合、単に大人の都合で導入するのではなく、若い世代自身や将来世代にとってのメリットが大きいことを十分に説明する必要があり、そのための根拠となるデータが必要である。また、社会保障を巡って、大人に対する不信感があるとすれば、それを払拭するような対策が同時に必要であろう。

⑤大学の学生が研究の一環として地域の多様な世代と関わりを持つことは、一つの有力なチャネルであろう。

⑥参加の制度化を考える場合には、それが全体主義的な色彩を帯びないよう、あるいは帯びていると誤解されないよう十分な注意が必要である。

Q4.自然科学系の新技術(情報技術を含む、潜在的技術も含む)は多世代共創のあり方にどのような影響があり、それが持続可能な社会の実現にとってどのような含意を持つのか?


①これまでの科学技術の発達は、人と人の助け合いを分断したり、生活と生産を分離する効果を持つものが多かった。このため、人々の絆が弱まり、地域社会の弱体化やそれに伴う環境悪化などを招いてきた。しかし、近年の発達した諸技術は、逆の方向の効果を持ち得るものが多いと考えられ、その可能性を意識的に追及することが重要と考えられる。

②まず、ICTの活用が重要であろう。ICTは通信を通じて空間的隔たりを埋めるだけでなく、記録・検索を通じて異時代間の隔たりを埋め得る。また、身体が衰えた高齢者が社会とのつながりを維持する重要なチャネルになり得る。しかし一方で、ICT弱者が取り残されることにならないような配慮が必要である。

③ICTは、匿名性の高さに伴う問題や、情報操作への脆弱性といった問題を抱えている可能性があり、それを補完して安心して利用するための仕組み(社会技術)をあわせて開発する必要がある。

ソーシャルメディアがもたらすつながりには浅いものが多い可能性がある。浅いつながりのメリットとデメリットを分析して、改善策を議論していくことも有用であろう。

⑤ICTの発達は、多様な需要を満たすための汎用的なコンテンツと、個別の需要を満たすための目的別インターフェイスを両立させる可能性を広げている。多世代が共用できるシステムを通じた新しい多世代共創がそこから生まれる可能性がある。

⑥医療の発達は、人とのつながりなどのソーシャル・キャピタルや幸福感が健康に与える影響を客観的に検証することを可能にしつつある。

制御技術の発達も高齢者のケアなどの面で様々な可能性を開いている。

マルチレベル分析の発達によって、集団が個人に与える影響と個人が集団に与える影響との相互関係を包括的に分析することが可能になった。

⑨技術の発達を促すためには、その将来的な活用可能性が見えることが必要であり、そのためには制度面も含めた前広な検討が必要である。

⑩多世代共創は技術革新のあり方を変えていく可能性を秘めている。多世代からの多様なニーズを日本の優れた要素技術と組み合わせることで、日本の国際競争力を新しい時代にふさわしい形で強めていくことも期待される。

Q5.多世代共創的活動は人々の意識にどのような変化をもたらすか?そのような意識変化は持続可能な社会の実現にとってどのような含意があるか?


①参加した人々が活性化したとの報告が多いが、参加した人々が多世代共創的活動への潜在的な志向性をもっていたという自己選択バイアスの可能性にも配慮した慎重な分析が必要であろう。そうした人々の潜在的能力を発掘することはもちろん重要ではあるが、参加に消極的な人々とのギャップを拡大させることがないような配慮も必要である。

②参加に消極的な人々を巻き込むためには、楽しさ適度な緩さが重要であろう。ただし緩いつながりがうまく機能するための条件について検討が必要である。

③人々の活性化は意識面だけでなく、健康の改善と相互促進的に進展する可能性が高くその具体的なメカニズムを解明することが望まれる。健康の改善はそれ自体重要であるとともに、労働供給の増加や医療費の削減を通じて経済や財政の持続可能性に寄与する。

④多世代共創的活動は、欝や引きこもりに有効である可能性があるが、最初のハードルをどう乗り越えていくかについての検討が重要である。

Q6.社会実装を軌道に乗せるために、どのような戦略や配慮が有効か?


(1) 多世代共創の仕組みが生まれるような仕組みはどのようなものか?どう作り得るか?


①多世代交流から始めて、意義と楽しさを理解してもらうことが出発点であろう。そして相互信頼が高まり共創融点を超えると共創の動きや可能性が出てくる。最初の一歩のハードルを下げることが重要。そのためには楽しさを盛り込むことを考えるべきであろう。

②多世代交流の「場」を設けることで、多世代共創に発展していく可能性がある。現在の公共施設の多くは世代別に作られているが、これを多世代型施設として利用することを検討すべきであろう。施設の有効利用や経費の節減につながる可能性もある。

③一世代だけでは作れない資産や、将来世代への影響が大きい問題に関する議論は多世代で取り組むべきとの認識を広める必要があろう。そのため、学校教育の中で多世代共創の概念を教育するカリキュラムも必要であろう。

④子供の参加は、大人や高齢者に大きな訴求力を持ち、多世代を引き付ける核となり得る。一方、子供には大学生のような少しだけ上の世代と交流することへの需要が強い。多世代間のこうした誘引構造をうまく生かすことも考えるべきであろう。

⑤うまくいっている活動の共通点としては、革新的なアイディアを持つリーダーとその人を支えるようなゲートキーパー(ネットワークの仲介者)が何人かいること、そしてそのチームの世代がある程度多様であること、また行政とうまく連携していることなどがあげられる。

⑥参加は、必ずしも一堂に会するという直接的な参加でなくても、ゲートキーパーを介した参加でも良いが、初期段階では物理的な場の重要性が高い((3)参照)。

⑦各種のノウハウを蓄えて各地の多世代共創を支援するような支援組織の必要性も考えられるが、これが自立していくためのファイナンスの問題などを解決する必要がある。


(2) 担ぐ人の育成:多世代での推進役が必要と思われるが、それはどのように確保できるか?


①長期的な戦略のもとにこれから社会に出るエントリー世代へ地域の持続可能性情報を伝えることが重要である。

自分事という意識をもってくれない人は推進役にはなりにくいが、一方で、義務や負担と感じさせないような緩さも必要であろう。

③若い参加者に関しては、過重な負担と感じない程度に、意欲・能力・適性に応じた役割を積極的に割り振っていくことが重要であるが、組織等で人材の配置・育成能力を培った高齢者の能力を活用すべきであろう。

④活動の種類によっては、経験→審査→資格認定というプロセスが有効な場合もある。


(3) 場:空間的な場の確保と同時に場の特性を維持・改善していくためにはどうしたら良いか?


①基礎自治体という場で考えることが必要かつ有効である分野が多いと思われる。

②教育機関における取り組みも重要である。低学年のうちから上級生、下級生、中高生、大学生、大人、高齢者などとの交流に慣れてもらうような仕組みが必要ではないか?

③地域コミュニティ以外にも、バーチャルな場が機能し得る。ただし、活動の立ち上げ期や、初めての参加者のアクセス容易性という観点からは、「居場所」など、物理的な場の効果はやはり大きい。その理由は、多様性に対応しやすいことではないかと思われる。すなわち物理的な場には様々な性格の空間があり、集団内での自分の位置づけやその日の気分に応じて居心地の良い場所に座り易いことや、場の雰囲気や皆の表情を見ながら適当なタイミングで話し出せることなどである。バーチャルな場も、物理的な場のもつこうした特性を取り込んでいくことで、機能を高められる可能性がある。


(4) 活動基盤:ファイナンスが大きな条件だが、それ以外にどのようなものが考えられるか?また、ファイナンス上のネックにはどのようなものがあって、どう乗り越え得るか?


①NPO法人を設立して、公的な助成等を受けて活動するのが代表的な選択肢であろう。

②経費を抑えるためには、既存施設の有効利用も重要である。

③高齢化の中で、空き家や独居住宅のような個人資産を地域の拠点として利用する手法も有効である。この際、提供してくれる人にとってのメリットをどう確保するかに配慮する必要がある。

④分野によっては民間企業の投資が見込めるものもある。


(5) 社会的認知の上げ方:熱心な賛同者、おとなしい理解者、無関心な人、反論をしてくる人、類似の活動をしている人、など様々な人がいる中で、どのように社会に浸透していくか?


①信頼関係が基盤として必要なので、急ぎ過ぎず、小さな成功から始めて積み重ねていくことが重要である。

②地域の人間関係を理解し、地域のリーダーの協力を得ることも重要である。一方で、既存の人間関係からニュートラルな場として位置付けることも重要である。

③自治体の協力は重要であるが、地域の人々との直接的な関係を築くことも重要である。地域のトップを通じて「上から降って」きたと感じられるようなことは避ける必要がある。

メディアに取り上げてもらうことも効果がある。

⑤運営の透明性に留意し、批判や反論に柔軟に対応することが多様な人々の信頼を得ていくことにつながる。より一般的には、社会関係資本も含めた地域の資源の状況への関心を高める必要がある。そのためには地域間比較ができるような指標の開発と整備も重要である。


(6) 自治体との関係:分野によっては重要であるが、自治体には、公平性重視、縦割り、外部への警戒感などの特性があるが、一方で個人として応援の気持ちを持っている人もいる。こうした構造の中で、どう協力を取り付け社会実装につなげるか?


①自治体との連携は参加者の安心感につながる。自治体の協力を得るためには政党や宗教団体からの中立性に対する配慮が重要である。また、地域の活性化や財政負担の減少につながり得るということを説明することも、自治体の協力を得るうえで重要である。

②自治体は心強いパートナーになり得るがリスクに敏感である。主なリスク要因としては、何か事故があった時の責任問題と、研究資金が途絶したあとの運営を肩代わりさせられるのではないかという将来負担の懸念とがある。前者に関しては、必要に応じて保険でカバーしたり、自己責任での参加であることを確認する措置をとったりするなどの対応が必要であろう。後者に関しては、早い段階から様々な選択肢を検討し、関連の情報を開示しつつ自治体と相談していくことが重要であろう。

③問題意識をもった自治体の協力を得て成功事例を作り、そこから広めていくのが効果的であろう。

④活動がある程度広がり有効性についての社会的認知も高まってくれば全国的な制度化も検討すべきであろう。その際に、規制改革特区などの制度を自治体と協力して活用していくのも一案である。


(7) マニュアル化などが可能か?


地域が抱えている課題は多様であり、一つのマニュアルを作ることは困難であるが、多世代共創、あるいはその前段階としての多世代交流の促進については経験から学べることも多いので、チェックリストのようなものは、作成可能ではないかと思われる。


Q7.多世代共創の程度や多世代型ソーシャル・キャピタル(SC)の指標、および中間的指標について:


(1) 指標にはどのようなものが考えられるか?また、持続可能な社会の実現に寄与するという面での有効性を評価するための中間的な指標としてはどのようなものが考えられるか?


①一般にSC指標はアンケートで作成することが多いが、多世代型の質問群の開発も進んできた。今後は、例えば以下((2)を含む)のような整理に基づく、仮説検証型の作業が重要と思われる。

②より詳細に把握していく場合には、活動の種類、相手、場、共創的要素の有無、などいくつかの軸で整理していくことが考えられるが、どのような軸が重要かは実証分析も踏まえた検討が必要である。

③暗黙知の共通性、共通意識シェアド・リアリティ(共通の経験)の有無や程度は、通常SCの要素には含まれないが、共通の基盤を持つ人々の間では信頼感が形成されやすく、こうした要因が地域のSCの形成に大きな影響を与える可能性がある。この点の解明も重要であろう。

④多世代共創とのSCとの関係を考えていくためには、多世代共創に関する意識指標と行動指標を区分し、どのような環境要因が意識の形成に寄与するのか、またそのような環境要因のもとで、意識が行動に結び付きやすいかを吟味していくことが重要であろう。

⑤多世代型SCは広義と狭義の二つを区別することが有効な場合もある(広義I型は異世代との交流を含むもの、狭義M型は三世代以上が参加するもの)。また、子供の参加の有無も重要な要因である可能性がある。


(2) 持続可能な社会の実現に寄与するという面での有効性を評価するための中間的な指標としてはどのようなものが考えられるか?


①中間指標としては、A.多世代共創活動の浸透度(関連するイベントへの参加人数、交換される情報の量や質、認知度など)、B.多世代型SCの形成度合い、C.幸福度・生きがい・健康感・健康度、D.共通意識や共通認識の形成の程度、などが考えられる。最初の3者については、相互に密接に関連していることが実証されつつある。

②最終目標である「持続可能な社会の実現」により近い中間指標としては、E.持続可能な社会を実現するための行動(例えば、エネルギーを節約する行動、地域のためのボランティア活動、地域のビジョン作り)に関する行動指標群が考えられる。また、F.地域の未来についての問題意識や危機意識の水準の変化など、それに対応した意識指標も中間指標になる。

③さらに、G.持続可能性に直接関係する指標群の計測が可能な場合もある。環境への負荷、地域の人口増減や雇用、地域の自治体の財政状況などである。

④そこで、A~DとE~Fとがどのように関連しているか、またE~FとGとがどのように関連しているかということを明らかにしていく必要がある。また、多世代共創という方法論の意義を明らかにする上では、多世代型のSCの方が同世代型のSCよりもC~Fとの相関が強いかどうか、についての検証も行う必要がある。

⑤別の角度からのチェックポイントとしては、H.個人の自由意志の存在、I.地域外出身者の被排斥感、J.自立と協調のバランス、なども重要と考えられる。こうしたものとA~Gとの相互関連についても研究を深める必要がある。

Q8.持続可能な社会および多世代共創と地域の自然について:


(1) 持続可能な社会の実現に向けた多世代共創活動の中で、地域の自然はどのような意味をもつか?


①山や川の自然やその四季の移ろいは、人々に自分の有限性を想起させ、歴史、先祖、子孫などに思いを致すきっかけを与える。

②子供時代に地域の自然に親しんだことが、共通体験として地域の基盤になることもある。

③災害に対する対応は地域社会の結束の大きな要因になってきた。行政などを補完する地域社会の役割はなお重要でここからより広い協力・共創に発展する可能性がある。

④自然は、地域の祭りなど共同活動の舞台(共同利用の対象)になる。

⑤自然は、人々に癒しや元気を与える効果がある。


(2) 地域らしさを規定する要因として、自然要因の重要性はどう変化していくか?また他の要因で重要となってきたもの、重要となっていくものは何か?


①第一次産業の比率低下や災害対応の進歩などによって、自然条件が地域に与える影響の重要性は低下してきた。

②しかし、自然条件の影響は地域の歴史や伝統という形で残っている。歴史や伝統が再評価される中で、地域の自然が再注目される可能性もある。

③また地場の野菜、果物、魚介、鉱産物などに、地域を特徴づける産物としてのポテンシャルを持ったものもある。

④経済活動の広域化・国際化が進む中で、資本、労働、技術、情報などの地域間流動性は増している。こうした中で上記の自然要因や歴史要因などに加え、インフラとソーシャルキャピタルが、地域を特徴づける要因として相対的に重要になっている。

⑤地域のインフラやソーシャルキャピタルをどのような方向に発展させていくべきか、については多世代の市民が参画しつつ議論していく余地が大きい。


(3) 地域をとりまく条件は多様とは言っても、すべての地域が独自の途を見出すことは可能なのか?


①第一次産業の比率低下や災害対応の進歩などによって、自然条件が地域に与える影響の重要性は低下してきた。

②また、似たような地域の事例から学べることも多い。

③しかし、何かの条件の差によって期待された効果が得られないこともあり、地域興し・地域づくりにあたっては地域特性に関する多面的な検討が重要である。

④地域の市民が参画することで、ソーシャルキャピタルにも地域的多様性が生まれてくる可能性もある。


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