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国際共同研究の成果と次世代研究者の挑戦を世界へ発信
― IBS2026においてASPIREバイオ分野合同シンポジウムを開催 ―
先端国際共同研究推進事業
2026年6月29日、30日の2日間にわたり、神戸国際会議場で開催された第20回 International Biotechnology Symposium and Exhibition(IBS2026)において、JSTは先端国際共同研究推進事業(ASPIRE)バイオ分野合同シンポジウム「Connect, Collaborate, Innovate: Global Partnerships in Biotechnology through ASPIRE」を開催しました。シンポジウムには約50名が登壇し、世界各国から研究者が集うIBS2026の場において、ASPIREが推進する国際共同研究の成果や国際頭脳循環の取り組みを発信するとともに、参加者間の交流を通じた新たな国際ネットワークを形成する機会となりました。
本シンポジウムは、ASPIREが重視する「世界トップレベル研究者との連携」「持続的な国際研究ネットワークの構築」「次世代研究者の育成」を体現する場として企画されました。開会にあたり、竹山春子研究主幹(PO)からは、2026年度以降、新たに3回にわたり実施が予定されるASPIRE公募への期待とともに、これまでにない規模で国際連携を推進する取り組みとしての意義が紹介されました。また、清水浩研究主幹(PO)からは、国際連携とともに分野横断的な協働の重要性が強調されました。
国際共同研究の成果と連携モデルを共有
シンポジウムでは、単独公募および共同公募の採択課題から計9件の研究発表が行われました。各セッションでは、日本側研究代表者と海外共同研究者が登壇し、バイオマニュファクチャリング、海洋バイオテクノロジー、植物科学、合成生物学、人工細胞、システム生物学など幅広い研究テーマについて紹介するとともに、国際共同研究を通じて得られた成果や研究ネットワーク構築の取り組みが共有されました。
発表では研究成果そのものに加え、異なる研究文化や研究環境を持つ研究者同士がどのように協力関係を構築し、共通課題の解決に向けて取り組んでいるかについても紹介されました。海外研究機関との連携を通じて生まれた新たな研究コミュニティや、次世代研究者を巻き込んだ研究体制づくりなど、ASPIREならではの国際共同研究の実践例が共有される機会となりました。
若手研究者による挑戦と成長のストーリー
2日目には、「Early Career Researchers(ECR) Lightning Talks」を実施し、17名の学生研究者が登壇しました。参加者は、相手国研究機関への研究滞在を通じて得られた経験や研究活動への影響、自身のキャリア形成への展望について発表しました。
発表では、海外研究者との共同研究を通じて得られた新たな知見や研究手法に加え、異なる専門分野や文化的背景を持つ研究者との議論を通じて、コミュニケーション能力や研究推進力が向上したことが紹介されました。また、国際学会等で再会し交流を継続できた経験や、海外での研究経験を通じて研究者としての将来像をより明確に描けるようになったという声も共有されました。なかには、「ASPIREへの参加を通じて研究者の道を進む決意を固めた」「当初は海外研究滞在に不安を感じていたが、挑戦を通じて大きな自信につながった」といった発表もあり、国際的な研究環境での活動が若手研究者の研究観やキャリア形成に大きな影響を与えていることがうかがえました。研究成果だけでなく、海外研究機関との協働や研究者交流を通じた経験そのものが若手研究者の成長を後押ししていることが示され、ASPIREが目指す国際頭脳循環の意義を参加者全体で共有する機会となりました。
また、発表後の交流や議論を通じて、新たな研究仲間や共同研究の可能性と出会う機会ともなり、国際研究コミュニティの一員としての意識を高める場となりました。
AIとバイオテクノロジーの未来を展望する基調講演
1日目には、Imperial College LondonおよびLondon BiofoundryのPaul Freemont教授による基調講演「Automated labs and AI – Opportunities and Challenges for Engineering and Generative Biology」が行われました。講演では、AI・機械学習と生物科学の融合による新たな研究領域「Generative Biology」の可能性が紹介されました。また、バイオファウンドリをはじめとする研究自動化基盤が、創薬、材料、食料、環境分野などにおける研究開発を加速する可能性や、その実現に向けた標準化データ整備、バイオセキュリティの重要性についても議論されました。
講演後には外部参加者も交えた活発な質疑応答が行われ、AIとバイオテクノロジーの融合による将来展望や、国際連携を通じた研究基盤整備への関心の高さがうかがわれました。
今後に向けて
本シンポジウムには、最大130名のIBS2026参加者が集まり、研究成果の発信にとどまらず、国際共同研究の価値や若手研究者育成の重要性について広く共有する機会となりました。特にECRセッションは、若手研究者自身の言葉で国際研究経験や将来への展望が語られる場となりました。クロージングにおいて、宮野健次郎運営統括(PD)は、ECRセッションで共有された若手研究者の経験や成長に言及し、若い時期に国際的な研究環境へ身を置く経験は、その後の研究活動のみならず人生そのものに大きな影響を与えるとのメッセージを送りました。今回のシンポジウムを通じて、ASPIREが目指す「国際共同研究」と「国際頭脳循環」が着実に進展していることが示されました。採択課題から生まれつつある研究成果や国際ネットワークが今後さらに発展するとともに、海外研究機関での経験を積んだ若手研究者が将来の国際研究コミュニティを担う存在として活躍していくことが期待されます。
<参考情報>
- JST-ASPIRE支援課題情報
- https://www.jst.go.jp/aspire/program/assignment/index.html
- JST ASPIRE Symposium at IBS2026
- https://www.jst.go.jp/aspire/pdf/ibs2026_flyer.pdf
- 開催報告(英語)
- https://www.jst.go.jp/report/2026/260821_e.html
掲載日:2026年08月21日