トピックス
ASPIRE半導体&通信分野合同成果報告会 開催報告
~活動の成果続々、今後の発展に大きな期待~
先端国際共同研究推進室
先端国際共同研究推進事業(ASPIRE)は2026年度で発足より4年目を迎えます。
ASPIRE事業は、対象国・地域の研究者との国際共同研究を通じた研究者ネットワークとコミュニティ形成により、国際的なセンター・オブ・エクセレンスを目指すこと、世界で活躍できる若手研究者を育成し、国際頭脳循環を促進することを目標にしています。
2026年1月、JST東京本部別館にてASPIREの半導体分野と通信分野で支援中の課題による成果報告会を合同で開催しました。日本や海外から100名近くの研究者が集まり、これまでの成果や今後の展望について発表し、意見交換を行いました。
当日は、国際共著論文数が日本単独の論文数を上回ったチーム、多くの若手研究者が海外で研究しているチーム、数多くの招待講演をこなす研究代表者、著名な国際会議の日本誘致に成功した共同研究者などから、顕著な成果が続々と報告されました。
これら成果の一例として、「次世代のためのASPIRE」採択者のイベントにおいて、同じ通信分野であっても「TopのためのASPIRE」採択者が応援として登壇したり、創発的研究支援事業や次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)といったJSTの他事業の採択者を巻き込んだイベントを開催したり、日本の研究者が分野において中心的ハブとなり異なる相手国機関の研究者を結びつけ、充実した関係を構築したりしている事例などが報告されました。4年目を迎えるASPIRE事業において、新しいコラボレーションの機会創出が着実に進んでいることを印象づけました。
海外渡航を経験した若手研究者からは、「相手側研究機関では、研究に使う精密機器のメンテナンス専門のスタッフが常駐し、作業の分業体制のおかげで研究そのものに専念できた」「教授や学生を含めフラットな人間関係が築かれており活発な議論が生まれていた」「同一のラボ内で各研究者がそれぞれ異なる研究テーマを扱いながらも、皆が互いに協力し高めあうような体制が作られていた」など、日本と世界の研究環境の違いに関する気づきが多く共有されました。
一方で一部の研究者からは、「日本では、優秀な若手研究者から世界を舞台に一流を目指したいという意欲があまり感じられず残念である」といった、内向き志向に対する本音も聞こえ、議論が交わされました。内向きになる要因として、大学や大学院卒業後は一般企業へ就職した方が経済的にも良いとする安定志向が根強く、研究活動の継続を選択する学生が少ないのではとの意見があげられました。こうした“心理的トラウマ”を乗り越えるためには、海外に渡航して研究活動をした学生によるワークショップを企画するなど、若手研究者が互いにインスパイアしあえるような環境作りが効果的であるとの提案が示されました。
イベント終了後に参加者に行ったアンケートでは、「他チームの活動や成果の見せ方が大変勉強になった」、「分野を超えた連携に興味がある」、「他課題の研究者と自由に交流できる時間がもっとほしかった」「若手研究者の発表に刺激を受けた」など、今後を見据えた前向きな感想や意見がありました。
ASPIREはこれからも国際共同研究・国際頭脳循環のさらなる発展のために支援を続けてまいります。
文:豊福、瀧田

研究主幹のファシリテートで活発な議論が交わされました

発表者に助言するアドバイザー

海外での研究活動について発表する若手研究者

若手研究者の発表に質問するPI
掲載日:2026年02月04日