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「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」による博士後期課程学生支援制度の見直しについて
次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)
https://www.jst.go.jp/jisedai/spring/index.html
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
理事長 橋本 和仁
このたび、「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」に関し、文部科学省より「研究奨励費(生活費相当額)支援の対象は日本人学生に限定する」との方針が示されました。これを受けて、本事業の実施主体であるJSTとして、補足的なご説明を申し上げます。
本制度は、アカデミアの有志研究者の提言を受け、日本の将来を担う博士後期課程学生を力強く支援することを目的に構想されました。制度創設にあたっては、学術界のみならず、産業界や国会、国会議員の方々の間でも活発な議論とご支援があったと認識しております。
しかしながら、その趣旨が制度化の過程で十分に明示されなかったことから、事業開始後、日本人以外の学生にも支援資金が広く配分される運用となっておりました。今回の方針は、制度本来の目的に立ち返り、その運用を当初の趣旨に即した形に是正するものです。
言うまでもなく、日本人学生が多様な背景を持つ留学生と共に学び合うことは、我が国の研究力の向上にとって極めて重要です。また、優秀な留学生を受け入れ、支援することも不可欠であり、そのための代表的な制度として「国費外国人留学生制度」が引き続き活用されています。
加えてJSTでは、海外の若手研究者との交流・協働を促進する新たな枠組みとして、「先端国際共同研究推進事業(ASPIRE)」「インド若手科学頭脳循環プログラム(LOTUS Programme)」「日ASEAN科学技術・イノベーション協働連携事業(NEXUS)」など、多様な国際連携プログラムを開始しています。
JSTは今後も、日本の若手研究者の育成とともに、国際的な人材循環と協働研究を支える取り組みに力を注ぎ、開かれた研究・教育環境の実現に貢献してまいります。
掲載日:2025年07月09日