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日英エンジニアリングバイオロジー合同ワークショップをロンドンで開催
先端国際共同研究推進事業
2025年5月29日、イギリス・ロンドンにて、日英のエンジニアリングバイオロジー分野における研究コミュニティ間のネットワーク強化と発展を目的とした合同ワークショップが開催されました。本ワークショップは、英国研究・イノベーション機構(UKRI)傘下の研究資金配分機関であるバイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)および医療研究会議(MRC)が主催し、日本からはJSTおよび日本医療研究開発機構(AMED)が協力機関として参加しました。
本イベントには、JSTおよびAMEDが実施する国際共同研究支援プログラム「ASPIRE」の一環としてBBSRCおよびMRCとの連携により実施した日英共同公募の採択研究課題8件の代表者をはじめ、若手研究者、有識者および研究資金配分機関関係者など計83名が参加しました。ワークショップでは、研究発表、パネルディスカッション、ワークセッションなどを通じて、研究者同士の新たなネットワーク形成と研究連携の促進が図られました。
研究発表と世代・立場を超えた議論による協働の深化
研究発表セッションでは、日英両国の研究代表者らが共同で研究プロジェクトの実施計画や、研究者の渡航を通じたネットワーク構築計画などを発表し、参加者やプログラムオフィサー、アドバイザーなど専門家との質疑応答を通じて今後の研究の方向性や協働による相乗効果について理解を深めました。また、分野の専門家によるパネルディスカッションや、小グループに分かれてのワーキングセッションでは、国際共同研究におけるチームビルディングや分野横断的な研究のインパクト創出、若手研究者の育成、新興技術分野における国際共同研究の安全性と信頼性の確保など、今後の研究推進における重要なテーマについて、世代や立場を超えた活発な議論が行われました。
科学技術政策と国際連携の展望を共有
プレナリーセッションではJST-ASPIRE清水浩研究主幹およびAMED-ASPIRE岡部繁男プログラムスーパーバイザーが登壇し、日本の科学技術政策におけるエンジニアリングバイオロジーの重要性、AIやロボティクスとの融合による産業変革への期待、日英トップ研究者の連携を起点とするグローバルな研究ネットワークの発展への展望について講演が行われました。BBSRCのアン・ファーガソン・スミス執行理事からは、今回の共同公募は英国の国家エンジニアリングバイオロジー戦略に沿った重要な投資であり、日英両国の強みを相互補完し、新たな研究連携や研究領域の開拓をリードしていくことへの期待が示されました。
今回のワークショップを契機に、採択課題における国際共同研究のさらなる進展と、エンジニアリングバイオロジー分野における国際ネットワークの強化・発展が加速することが期待されます。
<参考情報>
- JST-ASPIRE日英共同公募 採択課題情報
- https://www.jst.go.jp/aspire/program/assignment/index.html#2024-jp-uk-jointcall
- AMED-ASPIRE日・英国共同研究公募の採択課題について(AMEDウェブサイト)
- https://www.amed.go.jp/koubo/20/01/2001C_00073.html
- UK-Japan collaborative investments in priority technologies(UKRIウェブサイト)
- https://www.ukri.org/news/uk-japan-collaborative-investments-in-priority-technologies/
掲載日:2025年06月23日