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ASPIREイベント開催報告 ~半導体分野と通信分野合同のキックオフ・ミーティングで、トップと次世代の研究者が一堂に会す~

先端国際共同研究推進事業

https://www.jst.go.jp/aspire/

国際部先端国際共同研究推進事業(ASPIRE)では、令和5年度に初めての公募を行い、採択された7分野46課題が、令和6年2月より研究を開始しました。

ASPIREホームページ:
https://www.jst.go.jp/aspire/
採択課題のプレスリリース:
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1661/index.html

このたび、令和6年3月5日(火)~6日(水)に、広島大学 東広島キャンパスにおいて、7分野のうち通信分野・半導体分野が合同でワークショップとASPIRE採択課題のキックオフ・ミーティングを開催しました。電子情報通信学会総合大会のプログラムの一部として一般公開し、両分野ともに日本の共同研究相手として多くの研究者を支援している米国国立科学財団(NSF)のプログラム・ディレクターや、在日米国大使館の専門家などを含め、多くのゲストをお迎えして実施しました。

1日目のワークショップでは、NSFのComputer and Network Systems部のプログラム・ディレクターであるDeepankar Medhi氏による、半導体関連の支援事業の紹介、日本やJSTとの協力についての説明、ASPIREに対する期待などの講演がありました。それに続き、通信分野からはASPIREの前身にあたるAdCORPの研究代表者 田中 雄一教授(大阪大学)と相手側研究者のアントニオ・オルテガ教授(南カリフォルニア大学)が、半導体分野からはASPIREの研究代表者 深見 俊輔教授(東北大学)が、それぞれの研究成果や国際頭脳循環の取組みについて報告しました。

2日目のASPIRE採択課題のキックオフ・ミーティングでは、ASPIRE運営統括の宮野 健次郎先生、在日米国大使館のOmar Sharif氏の挨拶に続き、NSFのComputer and Network Systems部、プログラム・ディレクターのAnn Chrstine Von Lehmen氏から「Networking and Telecom Research at NSF: the NeTS Program」と題して、NSFにおける全般的な研究支援体制の紹介、日本との持続的な協力関係の構築におけるASPIREの重要性や期待についての講演がありました。半導体分野のゲストとして招かれた米国エスペラント・テクノロジーズ社のAllen Baum氏からは、「International(Research)Collaboration Types, Futures, Rewards」と題し、国際共同研究をテーマに講演をしていただきました。またJorge N. Tendeiro教授(広島大学 学術・社会連携室)からは、日本の大学や研究者コミュニティについて、示唆に富む発表と提言がありました。会場に集まった多くの研究者にとって貴重な情報共有となる講演で、次世代の研究者への強いメッセージとなりました。

続く計画発表では、まず通信分野の研究主幹、山中 直明教授(慶應義塾大学)からASPIREや採択課題への期待が語られたあと、「トップのためのASPIRE」に採択された江崎課題、大槻課題、川西課題、中尾課題の4課題の研究代表者が研究計画について発表があり、ゲストや参加者から、質問や意見が多く寄せられ、活発な議論が交わされました。国際共同研究において互いの信頼関係を得ていくことの重要性が再確認されました。
半導体分野の発表では、同分野の研究主幹、天野 英晴教授(慶應義塾大学)による分野の紹介から始まり、「トップのためのASPIRE」に採択された浜口課題、深見課題の計画発表があり、活発な質疑応答がなされました。

最後に、参加者全員によるネットワーキングセッションがあり、「次世代のためのASPIRE」に採択された、通信分野の太田課題、杉浦課題、須藤課題、半導体分野の上野課題、小菅課題、冨岡課題によるポスター発表が行われ、活発なコミュニケーションが図られました。今後の活動に大きな期待が持てるセッションとなりました。

参加者からは、トップ研究者からの発表が次世代研究者へのよい刺激となり、活発な議論を生んだとの意見や、将来の研究構想に資する貴重な機会となった、などの声がありました。また、NSFや専門家らとJSTとの強固で持続的な協力体制が、研究者の意欲を高めたとの意見もあり、今後のFA間の連携体制への示唆も得られました。

ASPIREの通信分野・半導体分野では、このイベントで得た知見を踏まえて、トップ、次世代間や、異分野間での効果的な交流を意識しながら、課題の推進を進めて参ります。

(国際部 先端国際共同研究推進室 松本、豊福)

  • 会場の様子

    会場の様子

  • ポスターセッションの一コマ

    ポスターセッションの一コマ

  • キックオフ・ミーティングを終えて

    キックオフ・ミーティングを終えて