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米国科学振興協会(AAAS)2022年次大会にてセッションを開催

未来の共創に向けた社会との対話・協働の深化

https://www.jst.go.jp/sis/

2022年2月17日~20日にかけて、米国科学振興協会(AAAS)年次大会が開催され、JSTはオンラインセッションを主催しました。

2022年の大会テーマは”Empower with Evidence”で、エビデンスに基づく発見がもたらす変革の力や科学に対する社会の信頼回復、また、直面する社会課題を解決するための学際・融合研究などに焦点があてられました。JSTはテーマの趣旨に沿い、新型コロナウイルス感染症流行下での科学的知識(エビデンス)に基づく意思決定過程の経験をもとに、その前提となる社会との信頼関係をどのように創るか、また科学者が社会・経済価値とレジリエントな社会の創出のためにどのような貢献ができるかを議論しました。

本セッションは有識者3名による話題提供の録画公開とライブセッションの二部構成で開催され、ライブセッション当日はJST渡辺美代子副理事による進行の下、科学的知見を社会のEmpowerに繋げる日本の視点を西浦博教授(京都大学)、浅川智恵子館長(日本科学未来館)から、また、社会との共創的研究を国としてどう進めるか、米国の視点をJacqueline Meszaros自然災害・災害レジリエンス科学技術アドバイザー(NSF)から提供いただきました。またJST荒川部長からは、科学と社会をつなぐJSTの共創的な取組を紹介しました。パネルディスカッションでは、科学と社会との間に「信頼の橋」をどう構築できるか、そのために科学者は何ができるかを論点に意見交換が行われ、科学者が社会とともにある科学を重視し、市民や社会に対して科学的知見を伝え続けるコミュニケーションの姿勢が重要であることが強調されました。また、幅広い専門家や市民、政策決定者が来る次の危機に備える心”Prepared mind”をより醸成できる具体的な取組みを平時から続けるのが一つの解決策であり、そのためにファンディングエージェンシーや科学館など関係機関がそれぞれの立場で科学者を支援していく必要性も言及されました。

  • セッション名:”Building a resilient society through evidence and trust”
  • 主催:JST
  • パネリストと発表タイトル:
    • 西浦 博(京都大学大学院 医学研究科 教授)
    • “Pros and Cons of Bringing Mathematical Models to Decision-Making Process”
    • 浅川智恵子(日本科学未来館 館長)
    • “New Challenges for the Accessibility of Research in a Transforming Society”
    • Jacqueline Meszaros(NSF工学部門自然災害・災害レジリエンス科学技術アドバイザー)
    • “Co-creation to Catalyze Trust and Resilience”
  • モデレーター:
    • 渡辺美代子(JST副理事)
  • オーガナイザー:
    • 荒川敦史(JST「科学と社会」推進部 部長)
関連リンク
米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)(外部サイト)
AAAS年次大会ウェブサイト(外部サイト)
調査報告:AAAS 年次大会