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オーストラリアと合成生物学に関するワークショップを開催「Future Trends and Emerging Technologies in Synthetic Biology」

アジア・太平洋総合研究センター

https://www.jst.go.jp/aprc/index.html

国際部

https://www.jst.go.jp/inter/

バイオテクノロジーと計算能力の進歩により、世界は新興技術である合成生物学の時代に突入しています。

2022年3月16日、アジア・太平洋総合研究センター(APRC)は国際部と協力し、文部科学省(MEXT)、オーストラリア連邦政府産業科学エネルギー資源省(DISER)、連邦科学産業研究機構 (CSIRO)、在日オーストラリア大使館の共催による「Future Trends and Emerging Technologies in Synthetic Biology - Connecting Australia and Japan through science and technology」ワークショップを開催しました。本ワークショップでは、日本側チェアの近藤昭彦教授(神戸大学副学長)、オーストラリア側チェアのClaudia Vickers博士(Provectus Algae Pty Ltd. CSO)、14名の講演者を迎え、150名以上の参加者が合成生物学の研究成果や最新情報を共有しました。

MEXT科学技術・学術政策局研究開発戦略課 戦略研究推進室 山之内裕哉室長およびDISER国際・天文学部門Steph Gorecki Natik本部長の開会挨拶の後、日本側共同チェアが趣旨説明を行いました。

基調講演として、オーストラリア研究会議合成生物学Center of Excellence(ARC合成生物学COE)のAleksandra Filipovska副所長からミトコンドリアRNA編集ツールとその医療応用研究に関する講演、東京大学の野地博行教授からは人工細胞リアクター技術やオンチップ無細胞システムに関する研究について紹介がなされました。

続く3セッションでは、12名の日豪の研究者から「人工細胞の構築と合成生物学の基盤技術」、「システムバイオロジーとタンパク質翻訳システム」および「合成生物学の応用研究」に関する講演をいただき、活発な質疑応答がありました。

最後のディスカッションセッションでは、「代謝工学、システムバイオロジー・モデリング、データ科学とバイオインフォマティクス」、「人工細胞とゲノム工学」および「バイオプロダクトとバイオマテリアル、無細胞システム、タンパク質工学と生体触媒」をテーマに、講演者および参加者が3グループに分かれ、日豪それぞれの研究における特長や不足する点等、将来的な共同研究促進に向けた議論を行いました。

本ワークショップでは、合成生物学に関連する様々な最先端技術、コンセプト、アイデアが共有されると共に、本ワークショップをきっかけに共同研究の話し合いが始まった研究者もおり、充実したワークショップであったという評価を参加者からいただきました。ワークショップ後のアンケートでは、65%以上の参加者がワークショップの内容・運営について「素晴らしい」と回答し、58%の参加者が「共同研究のアイデアが見つかった」と回答がありました。今回のワークショップをきっかけに、日豪間の研究交流・共同研究の更なる進展が期待されます。

関連リンク:
(ワークショッププログラム)https://www.jst.go.jp/aprc/en/event/2022ausjp.html
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