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LOTUS Programme Club 頭脳循環会議(北海道)開催レポート
2026年9月9日、北海道大学学術交流会館(札幌市)において、「LOTUS Programme クラブ頭脳循環会議(LOTUSクラブ会議)」を開催しました。本会議は、LOTUS Programmeに参加するインド出身の大学院生・ポストドクター研究者およびその指導教員が一堂に会し、研究成果の共有や交流を通じて、日印間の研究ネットワークの強化と研究交流のさらなる発展を目指すものです。今年度は日本国内3回、インド1回の計4回の開催を予定しており、第1回となる今回は、北海道大学およびNPO法人IJSSTE(India Japan Society for Science, Technology and Education)との共催により実施しました。
当日は、LOTUS 関係者87名に加え、日本を拠点に大学や研究機関で活躍するインド出身の教員・研究者らが参加し、総勢約150名が集いました。
■開会式
マドゥ・スーダン駐日インド大使館首席公使が挨拶を行い、2027年の日印国交樹立75周年を見据えた科学技術分野における協力の重要性を強調しました。また、さくらサイエンスプログラムやLOTUS Programmeを通じた若手研究者交流の拡大への期待を示すとともに、日本の技術力とインドの豊富な若手人材・イノベーション力の連携が、食料、健康、材料分野をはじめとする世界的課題の解決に貢献するとの考えを示しました。
続いて、寳金清博北海道大学総長が、同大学におけるインド人若手研究者の受入れ拡大や新たな共同研究の創出に向けた展望を紹介しました。また、門出健次北海道大学副理事長、ギリダー・パルヴァタム科学産業研究委員会(CSIR)中央食品技術研究所(CFTRI)所長、来日中のヒマーチャル・プラデーシュ州技術教育大臣ラジェシュ・ダルマニ氏、伊藤宗太郎さくらサイエンスプログラム推進本部副本部長らが登壇し、日印間の研究交流や人材育成の成果を紹介するとともに、今後のさらなる連携強化への期待を表明しました。
下段左:門出健次北海道大学副理事長、下段右:ラジェシュ・ダルマニ氏(ヒマーチャル・プラデーシュ州技術教育大臣)
■LOTUSクラブ ミーティングセッション
インド出身研究者とその指導教員による発表では、日本での研究活動やキャリア形成の経験が共有されました。
LOTUS Programmeにおける研究成果として、大気汚染・花粉・都市高温化が子どもの健康に及ぼす影響を予測する研究を紹介。日本とインドの研究資源を活用した学際的な共同研究を通じて、健康リスクの予測モデルや意思決定支援ツールの開発を進めるとともに、防災分野を含む両国間の研究協力のさらなる発展に期待を示しました。
中央:グプタ・ミティクシャ氏(北海道大学/シブ・ナダール大学)
LOTUS Programmeを通じて、BCGワクチンを活用した自己免疫疾患治療に関する日印共同研究に取り組んでいることを紹介。本プログラムが免疫学への理解を深めるとともに、自身の研究の発展と国際共同研究の推進に大きく寄与していると述べました。
右:グプタ・アイシュワリヤ氏(東京科学大学/インド工科大学インドール校)
LOTUS Programmeを通じた日本での研究経験について紹介し、研究手法の深化に加え、国際的な研究環境で得た新たな視点や人的ネットワークが自身の成長につながったと報告しました。また、今後も日本の研究者との共同研究を継続し、日印の研究交流をさらに発展させていきたいとの抱負を述べました。
■ポスターセッション
参加者がポスターの前でそれぞれの研究内容を紹介し、活発な質疑応答や交流が行われました。
ポスターの前でショートインタビュー
LOTUS Programmeで得た成果、日本を選んだ理由、将来について、参加者たちにポスターの前で自由に語ってもらいました。
- インドと日本の双方が直面する土石流・地すべり災害に関する研究を進めるため、日本を研究先に選択しました。日本の研究者との共同研究を深めるとともに、現地で災害課題を直接学ぶ機会を得ました。将来的には日本で博士号取得後にポスドクを経て大学教授となり、防災分野の研究を通じて社会に貢献したいです。
- 以前から研究を追っていた日本の研究者と共同研究を行うため、日本を研究先として選択しました。このプログラムを通じて、多くの経験と国際的な視野を得ることができています。最近では韓国で開催された学会にも参加する機会がありました。博士課程修了後は日本でポストドクターとして研究を継続したいです。
- 博士課程在学中の来日経験を通じて日本の先進的な研究設備や研究環境に魅力を感じ、日本を研究先として選択しました。インドと日本には文化的な共通点もあり、親しみを感じています。将来的には日本の大学において常勤研究職に就き、長期的に研究活動を続けたいです。
- ノーベル賞受賞鈴木章先生の存在に魅力を感じ、北海道大学を研究先として選択しました。将来的には日本で研究者として活動を続け、科学の発展と社会への貢献を目指します。
- 私の研究分野では、インドでは十分な研究機会を見つけることが難しかったのですが、岐阜大学では自分が取り組みたい研究を実現できる環境が整っていました。それが私にとって最大の成果です。
- 研究環境そのものが大きな収穫でした。実験機器や設備を活用できることに加え、指導教員とのコミュニケーションが非常に充実していて、研究の新規性や独創性を一緒に追求できています。特に印象的だったのは、指導教員と一対一で密接に議論しながら研究を進められることです。また、多くの実験機器や装置を自分自身で操作できるため、研究者としての技術や経験を大きく高めることができました。
- 優れた実験設備があり、実際に自分で実験を行うハンズオンの経験を積むことができています。人的ネットワークを広げられることも大きな利点です
- LOTUSによって研究へのアプローチや新しい視点を得られました。私は都市計画を専門としているのですが、研究を発展させる上で異なる視点がいかに重要かを実感しています。日本の指導教員から新しい視点や考え方を学ぶことで、自分の研究テーマに対する理解が深まり、これまでとは異なる方法で研究に取り組めるようになりました。
- グリーンエネルギー分野という新しい研究領域に取り組んでいます。設備の整った研究室で研究できる機会を得られたことは非常に幸運でした。研究環境が充実しているため、研究を効率的に進めることができます。さらに、指導教員はこの分野の専門家であり、その指導の下で研究できることを大変ありがたく思っています。
- 東北大学で地震による建物被害の低減を目指す研究に取り組む中で、日本の知見をインドの防災課題へ応用する可能性を実感しています。また、日本各地を訪問することで文化交流の機会も得られています。
- 北海道大学で地震工学分野の研究に従事し、日本の高い実験技術や精密な研究手法を学ぶことができています。日本で得た知見を今後インドの研究機関で活用したいです。
全国各地から集まったLOTUS Programme参加者たちは、所属機関や地域を超えた情報交換を行い、日本人研究者を含む人的ネットワークを拡大しました。本会議は、日本とインドを結ぶ高度理工・医療系人材ネットワークのさらなる発展に向けた貴重な機会となりました。