(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CRESTタイプ)
戦略目標 「先進医療の実現を目指した先端的基盤技術の探索・創出」
研究領域 「免疫難病・感染症等の先進医療技術」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
菊谷 仁 大阪大学 微生物病研究所 教授 セマフォリンによる免疫調節機構の解明と免疫制御への応用 セマフォリン分子(CD100/Sema4D, Sema4A)は、免疫反応の成立や調節に重要な役割を果たしています。本研究では、セマフォリン分子のin vitro, in vivoにおける免疫学的活性、それらの受容体の同定、シグナル伝達経路の解析を行い、セマフォリンの免疫系における役割の解明を目指します。その成果は、免疫制御機構の理解を飛躍的に進めると同時に、免疫病の革新的な治療法の開発に繋がるものと期待されます。
坂口 志文 京都大学 再生医科学研究所 教授 制御性T細胞による新しい免疫制御法の開発 制御性T細胞は、自己に対する免疫不応答の成立・維持に積極的に関与しています。特に、CD25+CD4+制御性T細胞の機能異常は自己免疫病、アレルギーなどの免疫疾患の直接的原因となり得ます。本研究では、CD25+CD4+制御性T細胞による免疫制御の分子的基礎を解明し、制御性T細胞の細胞及び分子レベルの操作による新しい免疫制御法の開発を目指します。その成果は、自己免疫疾患、慢性感染症、アレルギー、腫瘍免疫、移植免疫への応用が期待されます。
笹川 千尋 東京大学 医科学研究所 教授 病原細菌の粘膜感染と宿主免疫反応抑制機構の解明とその応用 赤痢菌を初めとする粘膜病原細菌が引き起こす下痢疾患により、毎年多くの人命が失われています。粘膜病原細菌の感染は、菌の分泌性機能タンパク質(エフェクター)と宿主因子の相互作用により進行します。近年、我々はエフェクターの一部が感染に対して誘導される免疫反応を一時的に抑制することを見出しました。本研究では、赤痢菌が分泌する一群のエフェクターに注目し、それらの感染成立に至る役割を分子レベルで明らかにし、安全な赤痢ワクチン等、新しい治療・制御法の確立を目指します。
山中 伸弥 奈良先端科学技術大学院大学 遺伝子教育研究センター 助教授 真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立 胚性幹(ES)細胞は、高い増殖能と分化多能性から細胞移植療法の資源として期待を集めています。しかし、培養の困難さ、受精卵利用による倫理的問題、奇形腫形成等の問題があります。我々は、これまでES細胞の分化多能性を決定する転写因子Nanogや奇形腫形成における重要因子ERas等の遺伝子群を同定しました。本研究では、これら遺伝子群の解析によりES細胞の特性維持機構を解明し、体細胞から分化多能性は持つが腫瘍形成能の無い、理想的な幹細胞を作り出すことを目指します。

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This page updated on September 18, 2003

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