(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CRESTタイプ)
戦略目標 「医療・情報産業における原子・分子レベルの現象に基づく精密製品設計・高度治療実現のための次世代統合シミュレーション技術の確立」
研究領域 「シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
穴井 宏和 富士通(株) ソリューション事業本部 計算科学技術センター 研究開発部 研究員 数値/数式ハイブリッド計算に基づくロバスト最適化プラットフォームの構築 様々なものづくりにおいて、シミュレーション技術は設計・製造の効率化、高品質化、高付加価値化実現に不可欠な技術です。本研究では、計算機パワーを活用した記号・代数計算技術を基盤として、今まで行われてきた数値的計算技術を融合したハイブリッド計算技術の構築を目指します。本研究により、非線形・非凸問題などの制約・最適化問題を正確に解くことができ、新しい実用的な計算技術パラダイムの創設のための革新的な第一歩になると期待されます。
石田 清仁 東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授 材料の組織・特性設計統合化システムの開発 各種の先進機能材料の創製には、その諸特性を引き出すために、ミクロ・ナノ組織形成のシミュレーションとそれに基づいた特性予測が求められます。本研究ではスタティクスからダイナミクスまで包括できる材料設計に関する統合化シミュレーションシステムの開発を行います。本研究の成果は材料学における永遠のテーマである材料の特性・材質予測の実現の突破口を開くものと期待されます。
佐々木 節 高エネルギー加速器研究機構 計算科学センター 助教授 高度放射線医療のためのシミュレーション基盤の開発 放射線医療を適正に、また効率よく行うために、人体に対する放射線の影響をシミュレーションにより事前に知ることが求められています。本研究では、今後、放射線医療で重要となる陽子線、重粒子線まで含めた放射線医療シミュレータの開発を行います。本研究成果のソフトウエアは特定の治療装置や既存のコードに依存しないため、複数の放射線治療装置に対して事前に精密な検証が可能となり放射線治療法の最適化を行うことができ、放射線医療の発展に貢献できるのもと期待されます。
高野 直樹 大阪大学 大学院工学研究科 生産科学専攻 助教授 生体骨医療を目指したマルチプロフェッショナル・シミュレータ 増加の傾向にある骨粗鬆症患者の診断では、発症に深く起因する骨質による診断・治療が重要であることが分かってきました。本研究はナノ材料科学に基づき、生体骨の特性解析をナノスケールからメゾ、マクロ領域のマルチスケールシミュレーションにて実現するものです。また同時に異分野の研究者の連携のため、マルチプロフェッショナル・シミュレータを構築し、医学、生体力学、材料科学、計算工学の共通プラットフォームとして広範囲な利用が期待されます。
長嶋 雲兵 (独)産業技術総合研究所 グリッド研究センター 総括研究員 グリッド技術による大規模高精度分子軌道計算技術の開発 新規産業創製へ向けて新規物質創造の迅速化・低コスト化が強く叫ばれており、実験に取って代わる分子シミュレーションの重要度が増しています。本研究では今まで計算が困難であった大規模分子シミュレーションを実現するために、並列分散処理を実現する革新的なアルゴリズムを開発し、グリッド技術を用いて高速計算が可能なプログラムの開発を行います。本研究により計算化学シミュレーションの適用範囲が拡大し、新規材料開発や創薬の効率向上が可能となります。
久田 俊明 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授 医療・創薬のためのマルチスケール・マルチフィジックス心臓シミュレータの開発 近年の分子生物学の進歩に伴い、個々のタンパク質機能に関する膨大な知見が集積されていますが、これらを統合し生体全体を再構成することによって初めて真の意義は解明されます。本研究は、心臓のミクロからマクロに至る総合的理解を可能とする大規模なマルチスケール・マルチフィジックスシミュレータを開発するものです。心臓の医療に貢献するだけでなく、汎用生体シミュレータ開発のプラットフォームを提供するものになると期待されます。

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This page updated on September 18, 2003

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