新技術事業団報 第658号

平成7年8月23日
埼玉県川口市本町4-1-8
新技術事業団
電話(048)226-5601(企画調査室)

「微小発破による尿路結石破砕技術」の開発に成功

 新技術事業団(理事長 松平寛通)は、京都府立医科大学教授 渡辺 泱(ひろき)氏、元工業技術院化学技術研究所主任研究官 生沼仙三氏らの研究成果である「微小発破による尿路結石破砕技術」を委託開発制度の平成元年度課題として平成2年1月から平成7年4月にかけて、細谷火工株式会社(社長 細谷文夫、本社 東京都秋川市菅生1847 資本金2億円、電話0425-58-5111)、株式会社モリタ製作所(社長 森田隆一郎、本社 京都市伏見区東浜南町680番地、資本金3億7600万円 電話075-611-2141)に委託して開発を進めていた(開発費3億1千万円)が、この程本開発を成功と認定した。

 腎臓、尿管、膀胱、尿道にできる結石のうち、腎臓や尿管という尿路の上流側にできる上部尿路結石の患者は年間約10万人に達する。その治療には、近年、体外から衝撃波を結石に集中させて破砕する方法(体外衝撃波法など)が開発され、使用されるようになった。しかし、各々の装置には、価格・操作性・結石の破砕力などの面に改善が望まれていた。

 本新技術は、細い管状の装置を尿道から挿入して尿管内の結石の位置まで導き、少量の火薬をこの管の中で爆発させ、その爆発力で管内に納められているピンハンマーを押し出し、結石に衝突・破砕させるものである。(図2図3参照)
 本装置は挿入部分の直径が3mmと細く、尿管内への挿入が容易かつ体内組織を傷つけることがないなど患者への負担が小さい。また、操作が簡単、結石の破砕力が大きい、低価格、など操作性・利便性も高いため、尿路結石を破砕する装置として広く普及が期待される。

「微小発破による尿路結石破砕技術」(背景・内容・効果)

臨床試験の成績

(*) 本発表についての問い合わせは電話048(226)5625内野、大塚までご連絡下さい。
(企業連絡先)(株)モリタ製作所 医療機器部 Tel 075-605-2323


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