研究成果展開事業「先端計測分析技術・機器開発プログラム」は、日本の将来の創造的・独創的な研究開発を支える基盤の強化を図るために、革新的な先端計測分析技術の要素技術や機器およびその周辺システムなどの開発を目的とするプログラムです。
平成24年度の公募にあたっては、「放射線計測領域(新規)」、「グリーンイノベーション領域」の2領域を重点開発領域として設定し、開発課題の公募、並びに重点採択を行います。また、重点開発領域以外においても、要素技術タイプ、機器開発タイプ、プロトタイプ実証・実用化タイプ、開発成果の活用・普及促進のそれぞれで、開発課題の公募を行います。
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の影響から復興と再生を遂げるため、放射線計測に関して、行政ニーズ、被災地ニーズなどが高く、開発に一定期間を要する高度な技術・機器およびシステムを開発するために、平成24年度の重点開発領域として「放射線計測領域」(領域総括:平井 昭司(東京都市大学 名誉教授))を設定します。
具体的には、放射線量および放射能濃度の迅速かつ高精度・高感度な把握を可能とするプロトタイプ機の開発、性能実証およびシステム化を行い、プロトタイプ機を実用可能な段階まで仕上げる開発課題、また、新たなブレークスルーを生み出す革新的な放射線計測分析技術・機器の開発課題を公募しました。
再生可能エネルギーの効率的な利用やエネルギーの効率的な変換・蓄積等に関して研究開発が進められており、そのうち、太陽光発電・蓄電池・燃料電池の研究開発においては、その飛躍的な性能向上や低コスト化を達成するため、発電システムの評価・診断や電池内部の物質挙動の可視化等を可能とする計測分析技術・機器の開発が求められています。そのため、本プログラムにおいて、平成23年度に引き続き、平成24年度の重点開発領域として「グリーンイノベーション領域」(領域総括:佐藤 祐一(神奈川大学 名誉教授))を設定します。
具体的には、太陽光発電、蓄電池または燃料電池の飛躍的な性能向上と低コスト化を目指した研究開発成果創出を図る上でのボトルネックとなっている計測分析技術・機器およびシステムのうち、研究開発現場の利用ニーズに応えることが可能で、かつ高い独創性・新規性が認められるオンリーワン・ナンバーワンの計測分析技術・機器の新たな開発に取り組む課題について、「要素技術タイプ(新規)」、「機器開発タイプ」それぞれについて公募しました。いずれも、産学の関係者が結集したチーム編成により開発するものです。
開発期間および開発内容に応じて、以下の(I)~(III)の3種類の公募を行いました。
類型 | (I) 実用化タイプ |
(II) 革新技術タイプ (要素技術型) |
(III) 革新技術タイプ (機器開発型) |
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開発期間 | 2年半以内 | 2年半以内 | 4年半以内 |
開発内容 | プロトタイプ機の開発、性能実証、システム化 | 要素技術の開発 | プロトタイプ機の開発 |
到達目標 | 開発した機器・システムを実用可能な段階(開発期間終了時に受注生産が可能)まで仕上げる | 既存の技術または機器から飛躍的に性能を向上する、オンリーワン・ナンバーワンの技術または機器を開発する | |
チーム構成 | 産と学・官が連携 (チームリーダーは企業) |
産と学・官が連携 | |
採択予定数 | 2~4課題程度 | 若干数 | |
開発費 | 最低1年間以上はマッチングファンド形式(申請する開発費と原則同額以上の資金を企業側が支出)。 その他はJST支出 |
全額JST支出 |
開発期間および開発内容に応じて、以下の(I)要素技術タイプ、(II)機器開発タイプの2種類の公募を行いました。
類型 | (I) 要素技術タイプ |
(II) 機器開発タイプ |
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開発期間 | 3.5年以内 | 5.5年以内 |
開発内容 | 要素技術の開発 | プロトタイプ機の開発 |
到達目標 | 既存の技術または機器から飛躍的に性能を向上する、 オンリーワン・ナンバーワンの技術または機器を開発する |
|
チーム構成 | 産と学・官が連携 | |
採択予定数 | 数課題程度 | 数課題程度 |
開発費 | 全額JST支出 |
開発期間および開発内容に応じて、以下の(I)~(III)の3種類の公募を行いました。
類型注1) | (I) 要素技術タイプ |
(II) 機器開発タイプ |
(III) プロトタイプ実証・実用化タイプ |
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開発期間 | 3.5年以内 | 5.5年以内 | 2.5年以内 |
開発内容 | 要素技術の開発 | プロトタイプ機の開発 | プロトタイプ機の開発、性能実証、システム化 |
到達目標 | 既存の技術または機器から飛躍的に性能を向上する、オンリーワン・ナンバーワンの技術または機器を開発する | 開発した機器・システムを実用可能な段階(開発期間終了時に受注生産が可能)まで仕上げる | |
チーム構成 | 産と学・官が連携注2) | 産と学・官が連携(チームリーダーは企業) | |
採択予定数 | 数課題程度 | 数課題程度 | 数課題程度 |
開発費 | 全額JST支出 | マッチングファンド形式(申請する開発費と原則同額以上の資金を企業側が支出)。 |
注1)ソフトウェア開発タイプに関しては、平成24年度の新規採択は行いませんでした。
注2)今回の募集から、要素技術タイプにおいても産と学・官が連携したチーム構成による申請を要件としました。
領域非特定型の開発課題について、開発の進捗に対して支援する開発総括(PO)が課題のマネジメントを行います。また、重点開発領域の開発課題について、JSTは領域全体を俯瞰する領域総括を委嘱し、開発課題のマネジメントを実施します。
選考は、以下の観点に重点を置いて実施しました。
放射線量及び放射能濃度の迅速かつ高精度・高感度な把握を可能とする、プロトタイプ機の開発及び性能実証、並びに高度化・最適化、及びシステム化(周辺機器の開発、ソフトウェア開発など、汎用化に必要となる応用開発)を行い、当該機器・システムを実用可能な段階(開発期間終了時に受注生産が可能)まで仕上げていただく開発課題を公募。
大気、水、土壌、食品等の放射線量及び放射能濃度の迅速かつ高精度・高感度な把握、放射線の生体への影響把握を可能とする計測分析技術・機器に関して、既存の計測分析手法にブレークスルーをもたらし、計測分析機器の性能を飛躍的に向上させることのできる要素技術を確立していただく開発課題を公募。
大気、水、土壌、食品等の放射線量及び放射能濃度の迅速かつ高精度・高感度な把握、放射線の生体への影響把握を可能とする計測分析技術・機器に関して、既存の技術・機器から飛躍的に性能を向上させることのできるプロトタイプ機を開発していただく開発課題を公募。
太陽光発電、蓄電池または燃料電池の飛躍的な性能向上と低コスト化を目指した優れた研究開発成果創出を図る上でのボトルネックを解消し、かつ、研究開発現場の利用ニーズに応えることのできる要素技術の開発課題を公募。
太陽光発電、蓄電池または燃料電池の飛躍的な性能向上と低コスト化を目指した優れた研究開発成果創出を図る上でのボトルネック を解消し、かつ、研究開発現場の利用ニーズに応えることができ、かつ高い独創性・新規性が認められる計測分析技術・機器の開発課題を公募。
計測分析機器の性能を飛躍的に向上させることが期待される新規性のある独創的な要素技術の開発課題を公募。
最先端の研究や、ものづくり現場でのニーズに応えるため、将来の創造的・独創的な研究開発に資する先端計測分析技術・機器及びその周辺システムの開発課題を公募。
独創的な研究活動に不可欠な最先端の計測分析機器及びその周辺システムの実用化に向けた開発課題を公募。公募の対象としては、現在開発中、もしくは開発した(開発後概ね3年以内)先端的な計測分析機器のプロトタイプ機であり、製品化した実績がない機器に対して行う取り組みとする。