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参考

先端的低炭素化技術開発事業(ALCA)の概要

1.事業の目的

温室効果ガスの排出量削減を中長期にわたって継続的かつ着実に進めていくために、文部科学省が策定する研究開発戦略のもと、新たな科学的・技術的知見に基づいて温室効果ガス排出量削減に大きな可能性を有する技術を創出するための研究開発を推進し、グリーン・イノベーションの創出につながる研究開発成果を得ることを目的とします。

2.事業の概要

今後の温室効果ガスの排出量を大幅に削減し、明るく豊かな低炭素社会の実現に大きく貢献しうる革新的な技術の創出を目指す研究開発を推進します。新規の原理・概念やブレークスルーをもたらす要素科学・技術を対象とした“基礎的な研究を行うフェーズ”から、生み出された技術シーズを展開・拡大して温室効果ガス削減に大きく貢献しうる技術の創出につなげる“研究開発を行うフェーズ”まで支援します。

本事業を効率よく進めるため、有識者の立場から事業全般を統括する事業統括(プログラムディレクター(PD))を置きます。併せて課題の評価や管理などを行い、具体的な事業の運営に携わる運営総括(プログラムオフィサー(PO))を置きます。事業統括(PD)が委員長を務め、運営総括(PO)および外部の有識者を委員とする先端的低炭素化技術開発事業推進委員会が、提案を期待する技術領域の設定や、研究開発課題の選考・評価を行います。

図 ALCAの概要

図 ALCAの概要

3.応募課題の要件

4.応募者の要件

国内の研究機関注1)において、自らも当該研究開発課題における研究開発が実施できる研究者であること。

注1)「国内の研究機関」: 国内に法人格を持つ大学、独立行政法人、国公立試験研究機関、特別認可法人、公益法人、企業などのうち、研究開発を実施している機関。

5.研究開発期間

10年以内。

応募段階では2~5年の研究開発計画を提出していただき、ステージゲート評価注2)の考え方に基づき、研究開発課題を延長(通算10年を上限)して実施すべきか判断します。採択後の実際の研究開発期間は提案された研究開発内容と研究開発期間を参考に、研究開発課題ごとに推進委員会の審議を経てJSTが決定し、研究開発計画書に明記します。

注2)ステージゲート評価について

先端的低炭素化技術開発事業推進委員会は、研究開発の実施期間中または当初設定された研究開発期間の終了時に、以後の研究開発継続の是非などを判断する評価(ステージゲート評価)を実施します。その評価結果に基づき、研究開発計画の見直しや研究開発期間の延長、研究開発課題の中止などを行います。

6.研究開発費の規模

1課題あたり年間1千万円~1億円程度。

実際の研究開発費は提案された研究開発内容と研究開発費を参考に、研究開発課題ごとに推進委員会の審議を経てJSTが決定し、研究開発計画書に明記します。