1 ) |
モデル化の概要および成果 |
尿管、血管等の診断に適用される細径内視鏡を的確に病変部に到達させることは診断精度を高める上で不可欠のものであるが、そのためには体内に挿入された内視鏡を管腔に沿って屈曲させる必要がある。
内視鏡を体外から能動的に屈曲させようとする試みは従来から様々な研究・手段で行われてきたが、その屈曲機構が複雑なうえ直径2~3ミリの細径内視鏡に内蔵させるための小型化が困難であり未だ実用化に至っていない。
本研究開発は、平行磁界内に置かれた磁気素子(磁化された磁石片)に作用する回転力(磁気トルク)を利用して先端に磁気素子を装着した内視鏡の能動的屈曲を行うもので、人体を互いに直交する2組又は3組のヘルムホルツ型電磁コイルで構成される2次元又は3次元磁界内に収容し、体外から磁界の強さ、方向をコントロールして体内の内視鏡を操作するものであり、さらに微細な制御をSMA(形状記憶合金)を用いて補正するものである。 モデルは、 磁気素子を装着した内視鏡アクチュエータ、 バイポーラ直流電源装置、電磁コイルおよび検診台からなる立体磁界装置、 モニタディスプレイを併用したコントロール装置で構成される。
まだ動物実験等の実用化試験には至っていないが模擬操作実験には成功し、モデルとして初期の目的は達成しており、実用化に向けて努力したい。
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2 ) |
事後評価 |
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モデル化目標の達成度
磁気素子についてはほぼ目標を達成したが、全体の部品寸法等に関しては課題を残している。 |
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知的財産権等の発生
現在まで発生なし。今後の取得の可能性あり。 |
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企業化開発の可能性
アクチュエータ素子は、今後更に改良すれば実用化が期待できるが、問題点をクリヤーするには医療機関での試験が必要で、モデル化終了後の研究開発に期待したい。 |
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新産業、新事業創出の期待度
実現すれば、新しい応用面の拡大が期待される。 |
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3 ) |
評価のまとめ |
アクチュエータ素子改良や全体の部品寸法等の課題はあるが、実現すれば新しい応用面の拡大が期待される。医療機関で試験実施する等の製品化に向けた今後の研究開発に期待したい。
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