開発を終了した課題の評価
課題名 | 「鋼構造道路橋のリアルタイムモニタリング・診断システム」 | ||||
所有者 | 国立大学法人東京工業大学、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ | ||||
研究者 | 東京工業大学 教授 三木 千壽 | ||||
委託企業 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ | ||||
開発費 | 約2億円 | ||||
開発期間 | 平成18年3月~平成20年9月 | ||||
評価 |
本新技術は、光ファイバーセンサーと通信ネットワークにより、橋梁の異常をリアルタイムで把握すると共に、損傷の要因となる重量車両の交通状況を継続的に把握することを可能とする技術である。 現在、道路橋の保全においては地震などの災害時に、道路を通行止めにして安全点検を行う必要があり、その際に生じる甚大な社会的・経済的損失を軽減させるため、異常検知および通行再開判定を行うシステムを早急に整備することが求められている。また、道路橋の多くは建設後40年近く経過しており、平常時においても橋梁の損傷度を正確に把握し、必要な点検・補修により延命を図ることは緊急の課題となっている。 本新技術は、光ファイバーセンサーによって橋桁のひずみを計測し、部材応答の逆解析によって車重を算出するWeight-In-Motion法により車両重量推定を行うと共に、監視カメラ映像との統合解析により車種判別を行い、損傷の主要因となっている車重・車種の通行データを自動収集する。また、リアルタイムで橋梁の変位や傾斜を計測し、橋梁の異常検知や災害時の被害状況を把握する。東京都内3ヵ所の橋梁に光ファイバーセンサーを設置し、データ中継地点を経由して情報センターでデータの収集・解析を行うネットワークシステムを構築し、長期モニタリングを行った。その結果、車重推定誤差が標準偏差±15%以内、車種正解率80%以上の成果が得られた。また、橋梁監視については橋桁や橋脚の姿勢情報を橋梁管理者にリアルタイムで提供することが可能となった。 本新技術により、リアルタイムで橋梁の状況を把握できることから災害時には的確に被害状況を把握し、迅速な対応が可能となる。また、平常時においては橋梁の落下や損壊等を早期発見するための情報を継続的に収集できるため、路線網の安全確保に活用できる。さらに車重・車種の通行データから損傷度予測を行い、補修優先橋梁を抽出することで効率的な維持管理が可能となるなど、橋梁の保全管理に大きく寄与することが期待される。 | ||||
評価者 | 独創的シーズ展開事業 委託開発
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評価日 | 平成20年11月11日 |