JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第350号 >用語説明

用語説明

注1)SPR:
Surface Plasmon Resonance(表面プラズモン共鳴)の略。薄膜分野やライフサイエンス分野で利用されている測定法。光を照射して金属薄膜の波を励起して、金属薄膜上の誘電率また膜の厚みを測定することに利用されている。

注2)QCM:
Quartz Crystal Microbalance(水晶振動子)の略。 水晶振動子上に物質が吸着すると、物質の重量変化に応じて水晶振動子の発振周波数が変化する。この変化を追跡する事によって、分子間相互作用が検出できるので、測定装置として使用されている。

注3)標識:
蛋白質などの解析対象物を検出するために、放射性物質や酵素、蛍光色素などを解析対象物に付与する事。シュガーチップはこの操作を必要としないので測定までの時間的ロスが低減し、また解析対象物の結合特性が変わってしまう可能性を回避できる。

注4)糖鎖アレイ:
一般に疎水性基を糖鎖に付け、その疎水性を利用して糖鎖を膜やガラスなどの基盤上に固定化したものの総称。多種類の糖鎖が1枚の基盤上に固定化されていることが多い。解析対象物と糖鎖との結合を測定するためには、2次抗体や標識した解析対象物が必要となる。また、疎水性相互作用に基づく非特異吸着を避けるために、測定するときには工夫が必要になる。

注5)ハイスループット解析:
大量高速解析のこと。バイオテクノロジーの研究では膨大な数の研究対象物を迅速に解析することが要求される。

注6)糖鎖固定化金ナノ粒子:
大きさが2~10nmの金の微粒子に糖鎖を固定したもの。製品例を参照。