機構報第254号
開発を終了した課題の評価
課題名 | 「三次元眼底画像構築ソフトウェア」 | ||||||
所有者 | 独立行政法人理化学研究所 | ||||||
研究者 | 独立行政法人理化学研究所 ものつくり情報技術統合化研究プログラムチームリーダー 横田秀夫 | ||||||
委託企業 | 株式会社先端力学シミュレーション研究所 | ||||||
開発費 | 82,102,425円 (精算額) | ||||||
開発期間 | 平成15年3月~平成17年9月 | ||||||
評価 |
本新技術は、医療現場における眼底カメラの眼底映像から診断支援用の三次元の眼底画像と血管画像を構築するものである。 本開発では、眼底カメラにより異なる角度から撮影した複数枚の二次元眼底映像に対して、色相変化からMFR(Matched Filtering Response)法により血管網、交叉点、分岐点などの画像を抽出する。次に、隣接する眼底映像の血管網が3次元眼底面上で重なる様、非線形解法により投影角度や縮尺などの最適投影パラメータを決定する。このパラメータにより眼底映像を別途超音波で測定した被験者固有の三次元眼球形状に投影して、血管の連続性が確保された三次元眼底画像を得るシステムが構築できた。 医学部で高血圧疾患の眼底映像について三次元眼球形状へ投影を試みた結果、高血圧の症状である血管の交叉現象、静脈蛇行を明瞭に見いだすことができるとのユーザーの評価を得ることができた。 本新技術により、網膜剥離などの眼科的疾病の診断だけでなく、糖尿病や高血圧など血管状態の変化を追う必要がある内科的な疾病の診断が容易となる。今後、血管状態の変化を自動検出する機能の付加により高度な診断支援システムの実現が期待される。 | ||||||
評価者 |
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評価日 | 平成17年11月30日 |