JST(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行うプレベンチャー事業を実施してきました。
この度、平成14年度より開始した研究開発課題「多用途小型循環動態モニターシステム」の研究開発チーム(リーダー:山越憲一 金沢大学大学院自然科学研究科 教授、サブリーダー:諸江輝義)のメンバーが出資して、ベンチャー企業 株式会社TAK MEDICA技術研究所(代表取締役社長:諸江輝義、本社:東京都国分寺市、資本金:1,000万円)を平成17年10月3日に設立しました。
日本人の死因は「がん」をトップに、心疾患、脳血管疾患の順となっていますが、心疾患と脳血管疾患は共に循環器系疾患であり、両者をあわせるとがんを抜いてトップになります。超高齢社会に邁進中の我が国は、循環器疾患も年々増加しており、その早期発見・疾患予防が益々重要であり、一方、医療費の削減にも有効と言えます。
本チームは、これまでの基礎研究で新たに開発した血圧測定と心拍出量※1測定の革新的技術を併用して、これら血圧・心拍出量を含む他の多くの循環諸量を、身体を傷つけることなく非侵襲的に、長時間にわたり、いつでもどこでも取得でき、また必要に応じてデータを医療機関等にリアルタイム伝送できる、小型で携帯可能な循環動態モニターシステムを開発しました。本システムは、循環器系疾患に対する健康管理と疾患予防、また、早期発見率を向上するための非常に有用なツールとなります。
同社は、非侵襲的計測技術を用いた医療用・健康用機器の研究開発を推進し、平成20年度には年間1.8億円の売上を目指しています。
今回の株式会社TAK MEDICA技術研究所の設立により、当事業によって設立したベンチャー企業は35社となりました。
用語説明
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産学連携事業本部 技術展開部 新規事業創出課
米谷・粂田(電話03-5214-0016)