○チーム型研究(CREST)
氏名 | 機関名 | 所属部署名 | 役職名 | 研究課題名 |
岸野 克巳 | 上智大学 | 理工学部 | 教授 | ナノコラム結晶による窒化物半導体レーザの新展開 |
末宗 幾夫 | 北海道大学 | 電子科学研究所 | 教授 | 超伝導フォトニクスの創成とその応用 |
野田 進 | 京都大学 | 大学院工学研究科 | 教授 | フォトニック結晶を用いた究極的な光の発生技術の開発 |
堀 裕和 | 山梨大学 | 大学院医学工学総合研究部 | 教授 | ナノ光電子機能の創生と局所光シミュレーション |
山下 幹雄 | 北海道大学 | 大学院工学研究科 | 教授 | 極限光電場波形制御による新光量子技術の創出 |
総評:研究総括 伊澤 達夫(NTTエレクトロニクス株式会社 取締役相談役)
光・光量子科学技術はレーザの出現によって学問的に大きく進展しただけでなく、通信やファイル記憶、表示など産業技術としても発展し、日常生活に幅広く浸透しております。このような技術だけでなく、光・光量子科学技術は、医療、環境、計測などさらに幅広い分野で発展の可能性を秘めております。また、微細加工技術や材料技術の発展に伴い、光に関係する新しい現象、物性の解明や光による物質の制御など科学としての発展も期待されます。
これまでの光科学技術進展の中で、世界をリードする新しい発想がわが国からも数多く出されてきましたが、エレクトロニクス産業の停滞に伴い近年研究開発力が幾分低迷していることは、多くの人が憂いていたところです。このような状況の中で、光・光量子科学技術の更なる発展を目指した研究領域が立ち上げられたことは、光関係研究者にとって強力な支援であり励みともなります。本研究領域では、基礎科学から産業技術にわたる広範な科学技術の基盤である光学および量子光学に関して独創的な研究を発掘し、世界をリードする次世代基盤技術を継続的に開拓しようとするものです。
今年度は69件の応募があり、11名の領域アドバイザーと共に書類審査を行い、14件の提案について面接審査を経て、最終的には5件の提案を採択いたしました。採択テーマは、フォトニック結晶、超伝導・光量子科学、極限光電場波形制御、窒化物半導体レーザ、近接場光について各1件で、いずれも十分実績のある研究者からの極めて質の高い提案でした。
不採択とした提案の中にも多くの優れた意欲的・独創的提案がありましたが、幅広い研究分野から多くの応募をいただきましたので審査は困難な作業を迫られました。相対的評価で落とさざるを得ない、実現可能性について説得力に欠ける、すでに基本技術の開発を終え装置開発を主眼としているなどの理由で不採択とした提案の中にも極めて質の高いものもありました。来年度以降も本年度と同様の方針で募集・選考を進めたいと考えていますので独創的で波及効果の大きな提案を期待します。