科学技術振興機構報 第1756号

令和7年3月24日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

未来社会創造事業(探索加速型)における
令和7年度新規本格研究課題の決定について

JST(理事長 橋本 和仁)は、未来社会創造事業(探索加速型)において、令和7年度の新規本格研究課題と研究開発代表者を決定しました。

本事業では、社会・産業ニーズを踏まえ、経済・社会的にインパクトのあるターゲット(出口)を目指す技術的にチャレンジングな目標を設定し、POC(概念実証:実用化が可能かどうか見極められる段階)を目指した研究開発を実施します。

本事業における探索加速型は、探索研究から本格研究へと段階的に研究開発を進める点が特徴です。探索研究では、スモールスタート方式(比較的少額の研究開発課題を多数採択する仕組み)で多くの斬新なアイデアを取り入れます。そして探索研究から本格研究へ移行する際に研究開発課題を絞り込み、最適な研究開発課題の編成や集中投資を行います。

本格研究課題の事前評価では、運営統括が研究開発運営会議および外部専門家の協力を得て、書類と面接により探索研究の成果と本格研究の計画を評価しました。その評価結果を踏まえ、本格研究課題の候補について事業統括会議で審議し、5件の新規本格研究課題を下記の通り決定しました。

「次世代情報社会の実現」領域(運営統括:前田 英作)

「AI・ビッグデータ・IoTを駆使したHuman-centricデジタルツインによる新たな未来社会デザイン」
「香り再現にもとづいたデジタル香り技術の構築」
中本 高道(東京科学大学 総合研究院 教授)

「顕在化する社会課題の解決」領域(運営統括:高橋 桂子)

「持続可能な環境・自然資本を実現し活用する新たな循環社会システムの構築」
「バイオマス由来触媒によるPower-to-Xの確立と資源・エネルギー循環社会の実現」
藪 浩(東北大学 材料科学高等研究所 教授)

「個人に最適化された社会の実現」領域(運営統括:和賀 巌)

「他者とのインタラクションを支えるサービスの創出」
「多様な子どもたちの個性とウェルビーイングを支えるデータ活用技術開発」
千住 淳(浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター 教授)

「共通基盤」領域(運営統括:長我部 信行)

「革新的な知や製品を創出する共通基盤システム・装置の実現」
「材料探索を価値の探索へと変革する超広域反応探索基盤の開発」
谷池 俊明(北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授)

「共通基盤」領域(運営統括:長我部 信行)

「革新的な知や製品を創出する共通基盤システム・装置の実現」
「世界初のグラフェン光源赤外センシングによる革新的分析・診断技術の創生」
牧 英之(慶應義塾大学 理工学部 教授)

事業や研究開発課題の詳細は下記ホームページを参照してください。

・事業ホームページURL

https://www.jst.go.jp/mirai/

・課題概要URL

https://www.jst.go.jp/mirai/jp/evaluation/full-scale_sg1/index.html

<プレスリリース資料>

<お問い合わせ先>

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