科学技術振興機構報 第1707号

令和6年7月26日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)における
Letara株式会社への出資決定について

JST(理事長 橋本 和仁)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、Letara株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役Co-CEO ケンプス・ランドン/平井 翔太、以下「Letara」という)への出資を実行しました。

Letaraは、北海道大学の研究成果を基に、人工衛星用の「ハイブリッド化学推進システム」の社会実装を目指すスタートアップです。

従来の人工衛星用の高推力な推進システムは、爆発性と人体への毒性を持つ物質が使用されることから、厳重な安全管理を必要とし、安全性確保とコスト低減を両立することが困難でした。Letaraが開発するハイブリッド化学推進システムは、プラスチックなどの安全な固体燃料と液体酸化剤とを組み合わせた燃焼により推力を得る方式で、高い推力を維持しながら、より安全・安価な推進システムとして実用化が期待されています。

宇宙産業の急速な発展に伴い、複数の小型人工衛星を1つのロケットで同じ軌道に打ち上げる「ライドシェア」の市場が拡大しており、打ち上げられた各衛星がそれぞれの最終目的の軌道へ移動する用途などを想定して、ハイブリッド化学推進システムを製品化することを目指しています。

Letaraは、JSTの研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の研究課題「宇宙推進機用ハイブリッドロケット再点火装置の開発」(研究代表者:ケンプス・ランドン 北海道大学 工学研究院 特任助教、研究期間:令和2年度~令和4年度)の研究開発成果を活用して、事業活動を展開しています。

<プレスリリース資料>

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