科学技術振興機構報 第1669号

令和6年2月13日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)における
BioPhenolics株式会社への出資決定について

JST(理事長 橋本 和仁)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、BioPhenolics株式会社(本社:茨城県つくば市、代表取締役 貫井 憲之、以下「BioPhenolics」という)への出資を実行いたしました。

BioPhenolicsは、筑波大学の研究成果を活用し、非可食バイオマスを原料とする芳香族バイオ化学品のバルク生産に取り組むスタートアップです。

脱炭素社会の実現に向け、バイオマス原料をもとに化学品などを製造することで従来の石油由来の工程を脱却できる、「バイオものづくり」と呼ばれる取り組みが世界的に進んでいます。BioPhenolicsは、有用な化合物を効率よく生産するように改良された微生物「スマートセル」を用いて、芳香族化合物の工業的生産を目指します。

すでに複数企業と共同研究開発を進めており、今後は事業開発と研究開発をさらに推進するとともに、研究開発技術の社会実装に向けて、大企業との協業を通したベンチスケールでの実証実験や経営人材の獲得を加速させる予定です。

BioPhenolicsは、JSTの戦略的創造研究推進事業(ALCA)の研究課題「微生物バイオマスを用いたスーパーエンジニアリングプラスチックの創出」(研究代表者:金子 達雄 北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授、共同研究者:高谷 直樹 筑波大学 生命環境系 教授ほか、研究期間:平成22年度~令和元年度)」、研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム 社会還元加速プログラム(SCORE) 大学推進型の研究課題「芳香族化成品原料のバイオ生産技術の開発と事業化」(研究代表者:高谷 直樹 筑波大学 生命環境系 教授、研究期間:令和4年度)などの研究開発成果を基に、令和5年2月に設立されました。

JSTは平成26年4月より「出資型新事業創出支援プログラム」(SUCCESS:SUpport Program of apital ontribution to arly-tage Companie)を実施しています。本事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対しJSTが出資並びに人的および技術的援助を行うことでその創出および成長を促進し、当該ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としています。出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」も志向しています。

URL:https://www.jst.go.jp/entre/

<プレスリリース資料>

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