JST(理事長 橋本 和仁)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、アルファフュージョン株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役CEO 藤岡 直、以下「アルファフュージョン」という)への出資を実行いたしました。
アルファフュージョンは、大阪大学の研究成果に基づき、アルファ線を放出するアスタチン(At-211)を用いたがん向けの創薬開発を目指すスタートアップです。
近年急速かつ世界的に注目される標的アルファ線核医学治療は既存のがん創薬とは一線を画し、核物理学・創薬化学・医学生物学の融合がもたらす「マイクロ放射線療法」とも考えられ、高エネルギーかつ飛程が短いというアルファ線の特徴から、これまでにない高い有効性と安全性を持つがん治療となることが期待されています。
アスタチンはハロゲンの1つであるため化合物を作りやすく、低・中分子を含めた抗原特異的な各種リガンドとの組み合わせを幅広く持つことができます。がんの病巣を効率的に狙いつつ、正常細胞への影響を最小限に抑えることで、治療効果の高い薬剤開発が期待されています。
また、創薬事業化に向けては、共同研究先の大阪大学にて、難治性甲状腺がんに対するアスタチン化ナトリウムの医師主導治験がすでに実施されており、前立腺がんに対するアスタチン標識PSMAリガンドの医師主導治験も2024年度の開始に向けて準備が進んでいます。
アルファフュージョンはJSTの産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)研究領域「安全・安心・スマートな長寿社会実現のための高度な量子アプリケーション技術の創出」(領域統括:中野 貴志 大阪大学 核物理研究センター センター長、研究期間:平成29年度~令和3年度)の研究開発成果を基に、令和3年4月に設立されました。
JSTは平成26年4月より「出資型新事業創出支援プログラム」(SUCCESS:SUpport Program of Capital Contribution to Early-Stage CompanieS)を実施しています。本事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対しJSTが出資並びに人的および技術的援助を行うことでその創出および成長を促進し、当該ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としています。出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」も志向しています。
<プレスリリース資料>
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<アルファフュージョンに関すること>
アルファフュージョン株式会社 広報担当
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URL:https://alpha-fusion.com/<SUCCESS事業に関すること>
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