科学技術振興機構報 第1596号

令和5年1月31日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)における
LQUOM株式会社への出資決定について

JST(理事長 橋本 和仁)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、LQUOM株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役 新関 和哉、以下「LQUOM」という)への出資を実行いたしました。

LQUOMは、量子インターネット実現に向けた量子通信システム、量子中継器、関連技術の開発に取り組む企業です。今後量子コンピューターが普及し性能が向上すると、現在、広く使用される暗号アルゴリズムが解読される恐れがあります。このような危険性を確実に排除するためには、理論上絶対安全な量子通信技術を用いた量子インターネットが必要です。

一方、長距離で安全な通信を行うためには中継が望ましく、量子インターネットを実現するためには、量子通信専用の「量子中継器」が必須であり、LQUOMは、量子中継器の開発に必要な基礎技術を保有しています。

LQUOMは、量子もつれを用いた方式の量子中継器開発を通して、絶対安全な次世代ネットワークである量子インターネットの実用化を目指しています。

LQUOMはJSTの戦略的創造研究推進事業 さきがけの研究課題「量子ネットワーク構成技術とその応用研究(研究期間:平成29年度~令和2年度)」や、研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム(START)の研究課題「長距離量子通信システム(研究期間:平成29年度~令和元年度)」の研究開発成果を基に、令和2年1月に設立されました。

図1 量子中継システムのイメージ
図1 量子中継システムのイメージ
図2 LQUOMの製品群
図2 LQUOMの製品群

JSTは平成26年4月より「出資型新事業創出支援プログラム」(SUCCESS:SUpport Program of apital ontribution to arly-tage Companie)を実施しています。本事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対しJSTが出資並びに人的および技術的援助を行うことでその創出および成長を促進し、当該ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としています。出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」も志向しています。

URL:https://www.jst.go.jp/entre/

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