科学技術振興機構報 第1447号

令和2年9月7日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)における
BionicM株式会社への出資決定について

JST(理事長 濵口 道成)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、BionicM株式会社(本社:東京都、代表取締役 孫 小軍、以下「BionicM」という)からの第三者割当増資の引き受けを実施しました。

BionicMは、ロボティック義足の研究開発および実用化を行う東京大学発ベンチャーです。自身も義足ユーザーで創業者の孫代表取締役がソニーでのエンジニア経験と東京大学でのロボティクス工学研究を基に起業を目指し、JSTの大学発新産業創出プログラム(START)の平成28年度採択課題「障害者のモビリティを高める高性能義足の開発」での研究開発成果を基に、平成30年12月に設立されました。東京大学のロボティクス工学研究に基づく最先端テクノロジーを活用することで従来の義足の問題を解決し、自然な動きを実現する小型かつ軽量な高機能義足を生み出します。

BionicMが開発する複数のセンサーを搭載した義足は、足を振り出す際や障害物とぶつかった際など、さまざまな場面において歩行環境や義足ユーザーの意図を検知できます。また、動力を生み出すモーターも搭載しており、通常の歩行時はもちろん、歩行開始時の義足の振り出し、椅子からの立ち上がりや階段を上る時など特に力の必要な動作の際にもパワーアシスト機能によりユーザーを力強くサポートします。また、段差などでつまずきを検知した場合には膝折れを防止するための動力を駆動させることでユーザーが転倒しないよう支えます。

BionicMは、自然な歩行を実現する製品を世界の義足ユーザーに提供することによって、義足を使うことへの負担感や転倒に対する恐怖心を無くし、日常生活を大きく向上させることに貢献します。

JSTは平成26年4月より「出資型新事業創出支援プログラム」(略称:SUCCESS SUpport Program of apital ontribution to arly-tage Companie)を実施しています。本事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対しJSTが出資並びに人的および技術的援助を行うことでその創出および成長を促進し、当該ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としています。出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」も志向しています。

URL:https://www.jst.go.jp/entre/

<プレスリリース資料>

<お問い合わせ先>

前に戻る