本事業は、社会・経済の変革をもたらす科学技術イノベーションを生み出す、新たな科学知識に基づく革新的技術のシーズを創出することを目的とした基礎研究を推進します。
国の科学技術政策や社会的・経済的ニーズなどを踏まえ、「戦略目標」を国(文部科学省)が設定し、そのもとに推進すべき研究領域と研究領域の責任者である研究総括(プログラムオフィサー)をJSTが定めます。研究総括は、戦略目標の達成へ向けて、科学技術イノベーションを生み出す革新的技術シーズの創出を目指した基礎研究を推進します。
本事業のうち、「CREST」「さきがけ」「ACT-I」では、研究総括が研究領域をネットワーク型研究所として運営します。研究領域ごとに研究提案を募集し、研究総括が領域アドバイザーらの協力を得ながら選考します。研究領域のもとで、選定された研究代表者が研究チームを編成し(CREST)、または研究者が個人で(さきがけ、ACT-I)、研究を推進します。
AIPプロジェクトは文部科学省において平成28年度より開始された事業であり、世界最先端の人材を結集し、革新的な人工知能技術を中核として、ビッグデータ・IoT・サイバーセキュリティを統合した研究開発を行う拠点「AIPセンター」を理化学研究所で運営し、イノベーションを切り開く独創的な研究者などを支援する公募プログラムをJSTの戦略的創造研究推進事業の一部として推進します。
JSTでは、関係する研究領域群を「AIPネットワークラボ」と称して、今回5つの研究領域で研究提案募集を実施します。
原則として下記の通りですが、各研究領域の運営方針により異なる場合があります。詳細は募集要項の「募集・選考・研究領域運営にあたっての研究総括の方針」をご確認ください。
研究タイプ | 研究期間内の研究費総額 | 研究期間 |
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CREST | 1.5~5億円 | 5年半以内 |
さきがけ | 3~4千万円 | 3年半以内 |
ACT-I | 300万円を標準 (加速フェーズ(注):さらに年間最大1,000万円程度) |
1年半以内 (加速フェーズ:さらに2年以内) |
(注)加速フェーズ:採択者が希望する場合は、研究開始1年後を目処に実施する進捗評価前に申請することで、採択時の課題数の3分の1程度が、年間最大1,000万円程度(直接経費)の研究費を最長2年間受けられる可能性があります。
平成29年度に研究提案を募集する研究領域と募集期間は、以下の通りです。
なお、研究提案者として応募できるのは「CREST」、「さきがけ」、「ACT-I」のいずれか1件のみです。重複して応募することはできません。
募集期間(CREST):平成29年4月12日(水)~6月6日(火)正午
募集期間(さきがけ・ACT-I):平成29年4月12日(水)~5月30日(火)正午
CREST
戦略目標 | 研究領域とその概要 | 研究総括 | 研究領域 発足年度 |
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細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御 | 『細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出』 【概要】 本研究領域は、細胞外微粒子に起因する生命現象の解明およびその理解に基づく制御技術の導出を目的とします。 |
馬場 嘉信 (名古屋大学 大学院工学研究科 教授) |
平 成 2 9 年 度 |
ナノスケール熱動態の理解と制御技術による革新的材料・デバイス技術の開発 | 『ナノスケール・サーマルマネージメント基盤技術の創出』 【概要】 本研究領域は、熱に関するさまざまな課題の解決や熱エネルギーの有効利用に向けて、熱の根源的な理解と高度に制御・利用するための基盤技術の創出を目指します。 |
粟野 祐二 (慶應義塾大学 理工学部 教授) |
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実験とデータ科学等の融合による革新的材料開発手法の構築 | 『実験と理論・計算・データ科学を融合した材料開発の革新』 【概要】 本研究領域では、これまで実施されてきた物質・材料開発の基本となる実験科学と、理論、計算、データ科学とを融合させることにより、革新的材料開発へとつながる手法の構築を目指します。 |
細野 秀雄 (東京工業大学 科学技術創成研究院 教授) | |
ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化 | 『人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開』(AIPネットワークラボ) 【概要】 本研究領域では、人間・機械・情報環境からなる共生社会におけるインタラクションに関する理解を深め、人間同士から環境全体まで多様な形態でのインタラクションを高度に支援する情報基盤技術の創出と展開を目指します。 |
間瀬 健二 (名古屋大学 大学院情報学研究科 教授) | |
生命科学分野における光操作技術の開発とそれを用いた生命機能メカニズムの解明 | 『光の特性を活用した生命機能の時空間制御技術の開発と応用』 【概要】 本研究領域では、光操作技術の開発および応用による生命機能の高度理解と制御を目的とします。 |
影山 龍一郎 (京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授) |
平 成 2 8 年 度 |
量子状態の高度制御による新たな物性・情報科学フロンティアの開拓 | 『量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出』 【概要】 本研究領域は、光科学、物性科学、ナノ構造・材料科学、情報科学に立脚して量子状態の高度制御の物理と技術を探求し、量子科学のフロンティアを開拓するとともに、新たな量子情報処理や従来性能を凌駕する素子・システム機能を実現することにより、社会の発展に資する革新的量子技術基盤を創出することを目的とします。 |
荒川 泰彦 (東京大学 生産技術研究所 教授・光電子融合研究センター長) | |
急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出 | 『イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化』(AIPネットワークラボ) 【概要】 本研究領域では、実社会の膨大なデータを知的・統合的かつセキュアに収集・処理・学習・制御するための人工知能基盤技術と、その成果を組み合わせることにより社会問題の解決と産業の自動化・最適化に貢献するイノベーション創発に資する技術の確立を目指します。 |
栄藤 稔 (株式会社NTTドコモ 執行役員 イノベーション統括部長) | |
新たな光機能や光物性の発現・利活用による次世代フォトニクスの開拓 | 『新たな光機能や光物性の発現・利活用を基軸とする次世代フォトニクスの基盤技術』 【概要】 本研究領域では、従来の光科学技術を横断的かつ重層的に集積・発展させることにより、将来の社会・産業ニーズに応える新たなフォトニクス分野の「破壊的イノベーション(従来の価値を破壊し、全く異なる価値基準で技術を生み出すイノベーション)」を創造するとともに、新技術シーズの創出を支える基礎的な原理の解明にも併せて取り組みます。 |
北山 研一 (光産業創成大学院大学 特任教授) |
平 成 2 7 年 度 |
多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製 | 『多様な天然炭素資源の活用に資する革新的触媒と創出技術』 【概要】 本研究領域は、多様な天然炭素資源をバランスよく活用できる将来の産業基盤の確立に向けて、その根幹をなすメタンをはじめとするアルカンガス資源を従来にない形で有用な化成品・エネルギーに変換するための革新的な触媒の創出を推進します。 |
上田 渉 (神奈川大学 工学部 教授) | |
気候変動時代の食料安定確保を実現する環境適応型植物設計システムの構築 | 『環境変動に対する植物の頑健性の解明と応用に向けた基盤技術の創出』 【概要】 本研究領域では、フィールドにおける植物の環境応答機構の包括的な理解に基づき実用植物を分子レベルから設計する技術の確立に資する研究を推進します。具体的には、環境変動にロバストに応答する植物の特性を定量的に把握し、生長や機能の人為的な制御を可能とする新技術の確立を目指します。また、出口戦略の観点から実用植物の活用に主眼を置き、機能マーカーやDNAマーカーなどの生物指標の同定やそれらを活用した新しい植物の開発などを試みます。 |
田畑 哲之 (公益財団法人 かずさDNA研究所 所長・副理事長) |
さきがけ
戦略目標 | 研究領域とその概要 | 研究総括 | 研究領域 発足年度 |
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量子技術の適用による生体センシングの革新と生体分子の動態及び相互作用の解明 | 『量子技術を適用した生命科学基盤の創出』 【概要】 本研究領域では、量子科学・量子技術を生体や生体分子の計測に応用することで、量子と生体の研究者の交流と融合を促進し、生命科学を革新的に発展させることを目的とします。 |
瀬藤 光利 (浜松医科大学 医学部 教授) |
平 成 2 9 年 度 |
細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御 | 『生体における微粒子の機能と制御』 【概要】 本研究領域では、生体内の微粒子の動態や機能の解明、さらにはそれらの制御に関する研究開発の推進によって、微粒子により惹起される生命現象の本質的な課題に取り組みます。 |
中野 明彦 (東京大学 大学院理学系研究科 教授) | |
ナノスケール熱動態の理解と制御技術による革新的材料・デバイス技術の開発 | 『熱輸送のスペクトル学的理解と機能的制御』 【概要】 本研究領域は、将来の持続可能社会および高度情報化社会・産業に革新をもたらすデバイスや新材料の実現に資するために、熱輸送の指向性制御やスイッチングとそれを可能にする原理解明、さらにその理解を支援する計算手法あるいは熱輸送のスペクトル計測等の基盤技術の創出を目指します。 |
花村 克悟 (東京工業大学 工学院 教授) | |
ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化 | 『人とインタラクションの未来』(AIPネットワークラボ) 【概要】 本研究領域では、情報科学技術をはじめとする各種の技術により、人間と人間、人間と機械、人間と情報環境、人間と実世界環境などの多様な状況でのインタラクションの進展に資する人間の能力を拡張するための新たな技術や人間と環境が高度に調和する技術の創出、インタラクション理解のさらなる深化を目指します。 |
暦本 純一 (東京大学 大学院情報学環 教授、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 副所長 ) |
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生命科学分野における光操作技術の開発とそれを用いた生命機能メカニズムの解明 | 『生命機能メカニズム解明のための光操作技術』 【概要】 本領域では、光によって生体を制御する革新的な技術の開発を目的とします。このため、「操作」および「観察」とそれらの技術を活用した「機能解明」の3つを領域の柱とし、異分野による連携、融合による新しい生体機能制御技術の確立を目指します。 |
七田 芳則 (立命館大学 総合科学技術研究機構 客員教授・京都大学 名誉教授) |
平 成 2 8 年 度 |
量子状態の高度制御による新たな物性・情報科学フロンティアの開拓 |
『量子の状態制御と機能化』 【概要】 量子現象をただ観るのではなく、制御して機能化するフロンティアを切り拓く独創的で意欲的な研究を本研究領域では推進します。さまざまな原子、分子、物質、ナノ構造、電磁波、生命体や、それらが相互作用する系に潜む量子現象の本質を紐解き、挑戦的な量子状態の操作・制御・測定をとおして新概念、新機軸、新技術の創成に大きく寄与します。これらがシーズとなり、将来的には革新的な情報処理技術、計測技術、標準化技術、通信ネットワーク技術、省エネ技術などに発展することを目指します。高度な洞察力と、理論展開・実験技術・計算技術などに支えられた実力を駆使して、量子科学とその応用の将来を世界レベルでリードする若手研究者の輩出を目指します。 |
伊藤 公平 (慶應義塾大学 理工学部 教授) | |
急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出 | 『新しい社会システムデザインに向けた情報基盤技術の創出』(AIPネットワークラボ) 【概要】 本研究領域では、情報技術に基づいた社会変革の時代に対応し、これからの新しい社会システムのデザインを可能にするための情報基盤技術の創出を目指します。 |
黒橋 禎夫 (京都大学 大学院情報学研究科 教授) | |
新たな光機能や光物性の発現・利活用による次世代フォトニクスの開拓 | 『光の極限制御・積極利用と新分野開拓』 【概要】 本研究領域では、本質的な限界を持たないといわれる光を使って限界に挑戦し、それを超えようとする研究を推進します。 |
植田 憲一 (電気通信大学 名誉教授) |
平 成 2 7 年 度 |
微小エネルギーの高効率変換・高度利用に資する革新的なエネルギー変換機能の原理解明、新物質・新デバイスの創製等の基盤技術の創出 | 『微小エネルギーを利用した革新的な環境発電技術の創出』 【概要】 本研究領域は、さまざまな環境に存在する熱、光、振動、電波、生体など未利用で微小なエネルギーを、センサーや情報処理デバイスなどでの利用を目的としたμW~mW程度の電気エネルギーに変換(環境発電)する革新的な基盤技術の創出を目指します。 |
谷口 研二 (大阪大学 名誉教授) 副研究総括: 秋永 広幸 (産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 総括研究主幹) | |
多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製 | 『革新的触媒の科学と創製』 【概要】 本研究領域では、メタンや低級アルカンなどを、化成品原料やエネルギーへ効率的に変換するための革新的な触媒の創製に取り組みます。 |
北川 宏 (京都大学 大学院理学研究科 教授) | |
多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製 | 『理論・実験・計算科学とデータ科学が連携・融合した先進的マテリアルズインフォマティクスのための基盤技術の構築』 【概要】 本研究領域では、実験科学、理論科学、計算科学、データ科学の連携・融合によって、それぞれの手法の強みを活かしつつ相互に得られた知見を活用しながら新物質・材料設計に挑む先進的マテリアルズインフォマティクスの基盤構築と、それを牽引する将来の世界レベルの若手研究リーダーの輩出を目指します。 |
常行 真司 (東京大学 大学院理学系研究科 教授) | |
情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創製 | |||
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 | |||
環境・エネルギー材料や電子材料、健康・医療用材料に革新をもたらす分子の自在設計「分子技術」の構築 | |||
気候変動時代の食料安定確保を実現する環境適応型植物設計システムの構築 | 『フィールドにおける植物の生命現象の制御に向けた次世代基盤技術の創出』 【概要】 本研究領域では、フィールドにおける環境変化に適応し、安定的に生育する植物を分子レベルから設計するための次世代技術に関する研究を推進します。 |
岡田 清孝 (龍谷大学 農学部 教授) | |
気候変動時代の食料安定確保を実現する環境適応型植物設計システムの構築 | 『情報科学との協働による革新的な農産物栽培手法を実現するための技術基盤の創出』 【概要】 本研究領域では、気候変動や環境負荷低減に向けた要求など、さまざまな制約のもとでも高収量・高品質な農業生産を持続的に行うことを可能とする先進的な栽培手法の実現を目指します。 |
二宮 正士 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授) | |
社会における支配原理・法則が明確でない諸現象を数学的に記述・解明するモデルの構築 |
CREST・さきがけ複合領域
戦略目標 | 研究領域とその概要 | 研究総括 | 研究領域 発足年度 |
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材料研究をはじめとする最先端研究における計測技術と高度情報処理の融合 | 『計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用』 【概要】 本研究領域は、計測・解析技術の深化による新たな科学の開拓や社会的課題の解決のために、多様な計測・解析技術に最先端の情報科学・統計数理の研究を高度に融合させることによって、これまでは捉えられなかった物理量・物質状態やその変化あるいは潜在要因などの検出、これまでは困難であった測定対象が実際に動作・機能している条件下でのリアルタイム計測などを実現するインテリジェント計測・解析手法の開発とその応用を目指します。 |
雨宮 慶幸(CREST担当) (東京大学 大学院新領域創成科学研究科 特任教授) 副研究総括; 北川 源四郎(さきがけ担当) (明治大学 先端数理科学インスティチュート 所員) |
平 成 2 8 年 度 |
ACT-I
戦略目標 | 研究領域とその概要 | 研究総括 | 研究領域 発足年度 |
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急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出 | 『情報と未来』(AIPネットワークラボ) 【概要】 本研究領域では、情報学における研究開発によって未来を切り拓く気概を持つ若手研究者を支援します。人工知能、ビッグデータ、IoT、サイバーセキュリティなどを含む、情報学に関わる幅広い専門分野において、新しい発想に基づいた挑戦的な研究構想を求め、今後の学術・産業・社会・文化を変えていくような多種多様な研究開発を推進します。 |
後藤 真孝 (産業技術総合研究所 情報技術研究部門 首席研究員) |
平 成 2 8 年 度 |
人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発 | |||
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 |
平成29年度の応募は「府省共通研究開発管理システム(e-Rad)」により受け付けます。
府省共通研究開発管理システム(e-Rad)ポータルサイト
URL:http://www.e-rad.go.jp/
研究提案募集ホームページのお問い合わせフォームをご利用ください。
URL:http://www.senryaku.jst.go.jp/teian.html
科学技術振興機構 戦略研究推進部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
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