JST(理事長 中村 道治)は、国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)「国際共同研究拠点」注1)の新規公募を実施し、平成27年度の採択課題を決定しました。
本事業は、従来の国際研究協力により得られた成果やネットワークの実績を生かして、日本としての「顔の見える」持続的な共同研究・協力を推進し、地球規模課題・地域共通課題の解決やイノベーションの創出、日本の科学技術の向上、および相手国・地域との研究協力基盤の強化、人材交流・人材育成などに資することを目的としています。この目的に向け、科学技術外交上の観点から日本にとって重要なASEAN地域・インドにおいて、共同研究や社会実装のためのオープンイノベーション拠点を設置し、同拠点を中核とした連携の相乗効果により、日本の競争力の源泉となる科学技術を持続的かつ相互に発展させるとともに、拠点を通じた課題解決、研究・イノベーション人材の育成・交流を支援します。
支援を決定した課題は次の通りです。
「日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点-持続可能開発研究の推進」
(研究代表者:京都大学 東南アジア研究所 河野 泰之 教授)
本研究は、タイ、インドネシア、マレーシアに共同研究拠点を置き、オールジャパン・オールASEAN体制のもとで、国際共同体制で持続可能開発研究を推進し、その成果をASEAN諸国に効果的に波及させることを通して、日本として顔の見える科学技術イノベーション協力に貢献することを目指す。
今回の募集では28件(ASEAN地域18件、インド10件)の応募があり、これらの応募課題を外部専門家により評価した結果、1件(ASEAN地域)の採択を決定しました。インドについては、本事業の趣旨および選考基準に基づき総合的に判断した結果、現時点での採択は見合わせることとし、今回の選考結果を踏まえながら、今年度中の共同研究拠点設置に向けて、検討を継続することとしました。