氏名 |
機関名 |
所属部署名 |
役職名 |
研究課題名 |
有田 正規 |
東京大学 |
大学院新領域創成科学研究科 |
助教授 |
分子スケール差を統合する代謝シミュレーション |
大武 美保子 |
東京大学 |
大学院情報理工学系研究科 |
特任助手 |
神経系の双方向マルチスケールシミュレータの開発 |
手塚 建一 |
岐阜大学 |
大学院医学研究科 |
助教授 |
骨リモデリングシミュレーションで挑むテーラーメイド再生医療 |
星野 忠次 |
千葉大学 |
大学院薬学研究院 |
助教授 |
計算機による特異的抗体設計法の確立 |
前園 涼 |
(独)物質・材料研究機構 |
計算材料科学研究センター |
研究員 |
遷移金属イオンを含む生化学分子の電子論的精密計算 |
五十音順に掲載
研究総括 : 土居 範久(中央大学理工学部 教授)
シミュレーション技術は、従来の理論・実験とは異なる新しい研究手法を実現し、科学技術のブレークスルー・国際競争力の強化に資する基盤技術として、その重要性が高まっています。しかし、さらなる技術の発展のためには、新しいシミュレーションアルゴリズムの開発、高機能・高性能でしかも信頼性や安全性の高い基盤システムの開発が必要とされます。
本研究領域は、計算機科学と計算科学の連携によるシミュレーション技術の革新と、信頼性や使いやすさを視野に入れた実用化の基盤を築くことを目標としています。
本研究領域は平成14年度に第一回の研究募集を開始して、今回は第三回目の最後の募集になります。本研究領域では昨年、一昨年と同様にチーム型研究(CRESTタイプ)と個人型研究(さきがけタイプ)について募集を行い、個人型研究については46件の応募が寄せられました。これらの提案を領域アドバイザーと共に書類選考を行い、特に内容が優れた10件を面接対象として選考しました。面接選考においては、研究のねらい、独創性、主体性、研究計画の他、特に、分野横断的な共通基盤に寄与する研究開発を含み、シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築に貢献が期待できる研究提案を重視し、5件を採択しました。
採択課題については、生体医療、生化学、物質材料など広範囲に渡るいずれも個人のアイデアを活かした提案であり、高いオリジナリティーを有しているといえます。3年間の研究期間では、実用化まで達成することは困難な場合もありますが、ナノテクノロジーやバイオテクノロジー分野への応用の可能性を大きく含んでいるため、将来的には実用化に結びつくような発展性のある成果が期待できます。
今年度は昨年度と比較して倍率が高かったこともあり、優れた提案であっても残念ながら採択に至らなかったものもありましたが、独創性を活かしてさらに研究を進展されることを期待します。
将来的な「ものづくり」にシミュレーション技術が役立つためには、各分野のアプリケーションを開発するだけではなく、横断的に役立つような基礎基盤技術を開発することが今後ますます重要になると考えられます。本領域では、3年間の選考にてマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション技術や革新的アルゴリズム技術に関する研究を採択することができました。これらの課題は今後、次世代統合シミュレーション技術として、医療・情報産業分野に大きく貢献していくものと期待されます。
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