JST(理事長 中村 道治)は、ベルモント・フォーラム注1)2014年CRA(国際共同研究)注2)において、「持続可能性のための北極観測と研究(Arctic Observing and Research for Sustainability)」分野で募集を行い下記のとおり2課題を支援することを決定しました。支援決定課題は次のとおりです。
(1) 「気候変動下における北極海洋システムの回復力と適応力(RACArctic)」
(コンソーシアム研究代表者)北海道大学 大学院水産科学研究院 齊藤 誠一 教授
(米国代表)アラスカ大学 フランツ・ミューター 准教授
(ノルウェー代表)国立海洋研究所 ケネス・ドリンクウォーター 主任研究員
本プロジェクトは、環北極海域(北極海および隣接する周辺の亜寒帯海域)における共通点や差異を整理しながら太平洋-北極海-大西洋における環境変化と海洋生態系の応答について統合的に理解することを目指すものです。
(2) 「東部ロシア北極域永久凍土上の生態系と都市と村落の炭素収支(COPERA)」
(コンソーシアム研究代表者)北海道大学 大学院地球環境科学研究院 杉本 敦子 教授
(ロシア代表)北東連邦大学 ミハエル・プリシャズニー 副学長/准教授
(米国代表)アラスカ大学フェアバンクス校 水理環境研究センター ヨシカワ・ケンジ 教授
本プロジェクトは、東部ロシア北極域の永久凍土帯において、自然生態系の炭素吸収量と都市と村落の炭素放出量を見積もり、気象・人口・経済状況とあわせて解析し、地方行政・住民が選択すべき解決策を考えるための基礎的データを提示する道筋をつけることを目指すものです。
今回の募集では46件の応募があり、これらの応募課題を日本側含む公募参加国の各国専門家により評価しました。その結果をもとに各国支援機関が協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、支援すべき課題を決定しました。採択課題は平成27年4月より支援開始予定です。研究期間は3~5年間、研究費総額約6,300万円を予定しています。