ポイント
- 電子の海に埋もれた「正孔」は、どうすれば見えるのか?
- 伝導正孔は、伝導電子と同様に半導体デバイスを動作させる重要な電荷キャリア。伝導正孔の観測に必要な条件を初めて特定。
- これまで見えなかった電荷キャリアの動きを捉え、半導体デバイスの動作を評価する新たな手法に。
高エネルギー加速器研究機構(KEK) 物質構造科学研究所の福本 恵紀 特任准教授、筑波大学の吉川 康介 氏は、半導体デバイスの動作において、伝導電子と同様に重要な電荷キャリアである伝導正孔の可視化に成功しました。正孔は、ルドルフ・パイエルス 博士がホール効果を量子力学的に導出する際にも導出された正の電荷です。また、同時期にルドルフ・パイエルス 博士がホール効果を量子力学的に導出する際にも導出された正の電荷です。これまでに、電気計測による素子全体の平均的な情報として伝導正孔の振る舞いが観測されてきましたが、実験的な制約により、電荷キャリアとして半導体デバイスの動作に「機能する伝導正孔」の空間的な分布を観測した例はありませんでした。今回、パルスレーザーを光源とする光電子顕微鏡(フェムト秒光電子顕微鏡)を利用して、電界効果トランジスタが動作する環境下で正孔の直接観測に成功し、観測のためのレシピを詳細に解説しました。
この成果は、ホール効果などトランジスタ全体の平均として伝導正孔の流れを電気的に計測する従来手法に対し、イメージング法を用いることで、トランジスタ内の膜厚などの不均一性が正孔観測に影響することを特定した画期的な発明となりました。ダイオード、トランジスタ、太陽電池、発光デバイス、光触媒などあらゆる半導体デバイスの評価・開発など幅広い応用が期待されます。
なお、本成果は、物質構造科学研究所 ピアテンコ・エリザベス 研究員(当時)、筑波大学 山田 洋一 教授、清水 好葉 氏、物質・材料研究機構(NIMS) 早川 竜馬 主幹研究員、若山 裕 グループリーダーとの共同研究による成果です。
本研究成果は、2026年10月21日(現地時間)付で、米国の学術誌「Applied Physics Reviews」に掲載されました。
<本研究を支援したJSTの制度>
創発的研究支援事業
<論文タイトル>
- “Imaging conducting holes in field-effect transistors”
- DOI:10.1063/5.0335842
<プレスリリース資料>
- 本文 PDF(815KB)
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